マニュアル

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速水は少し迷った
しかし、康太叔父の子供だ
そして章子は康太によく似ている
雅紀を選んでこれから一緒に生きていきたいと思っている
17歳の女の子に対しては誠実に話してあげたい

章子のように生まれてから、すべてにお金をかけてもらって
母のミキがどんなに速水をそうしたかったであろう道
でも、速水は中学頃から、そんなお嬢様とは程遠い生き方をした
それをすべて受け入れてくれたミキ

やはりマニュアル通りにはいかないし
マニュアル通りでなくても幸せだ

少し怖かった
章子の中には小百合のような所もあるはずだ

「あのね、小百合さんの言っていることも間違いじゃない
そして、それ以外の場合、人を傷つけたり
苦しいこともいっぱいよ
それでもいいの?」

章子には想像はできない
雅紀と一緒に生きていくことの楽しさしか、今はわからない

「私は中学のころ、性障害だとわかったの」

え?章子はその言葉は知らないようだった
ちょっと、お茶を淹れなおしてくる間
スマホで検索するように言った