マニュアル

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本当にマニュアル通りの人だ
勉強なんかで計算はよくできるが
文章題が今一つの友人が小学校のころにいたが
そんな感じ
方程式とかに当てはめられない問題には
四苦八苦するタイプ
そして章子は父親である康太が
母には何も話していないことも意外ではない
なんだかめんどくさい人だから

「あ、雅紀君、仕事始めたの!
だから、平日は会わないようにしたの」

「え?仕事?高校を中退って事?」

「そう、だって、あんな事件を起こしちゃって
退学させられたし、勉強なんかまるでできない人だし
他の高校に入りなおすなんて
相当無理だし、無駄でしょう」

小百合は驚いたように

「あなたがそんな決めちゃって
向こうのご両親だって、中卒って言うのは困るんじゃない?」

「あら、大丈夫よ
向こうの親たちは、私にすごく感謝してるわよ
だって、雅紀君の仕事
みぃおばさんのところよ!」

小百合はまたまた、驚いた

「え?そうなの?みぃさんのところだって
そう言う特殊な事情の子は困るんじゃないの?」

「全然だよ!
みぃおばさんは大喜び!
だって、雅紀ってバカだけど、掃除とか異常に丁寧だから
外部の清掃会社に頼むよりよほどましだって
お給料は相当いいのよ」

小百合は頭が混乱する
いくら給料がよくたって
中卒の清掃員と付き合っているなんて倒れそうだ