2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

誘惑の花

京子はその話を聞いて、俊哉を自分のものにするチャンスは まだ、あるようだと思う 真面目なだけの頭の弱い女 そんな女には俊哉はもったいない そう思ったのだ それからは俊哉が来ると露骨にそばに行き 店が暇なときはできるだけ話をした 店長と佐由美は 「…

小百合の幸せ

今まで一生懸命信じていたことが バラバラと壊れていくのに それが人に褒められたり 章子の幸せになったり 少しも意味が解らない 章子のことも康太は当然反対するものと思っていたけれど みぃのところに就職させたり とにかく、今は自分が家族の中でどの位置…

誘惑の花

京子はすぐに 『私だ!』、私に会いに来ているのだ そう思った 京子は二人に一番聞きたいことを聞けなかった 美奈子がそんなタイプならば、もしかしたら 結婚するまでは体の関係はダメだと言っているんじゃ? でも、そこは聞けない でも、それから何日か経っ…

小百合の幸せ

小百合は大学のころからずっと続けている お茶の先生のところからの帰り ぼんやりとしたくて、カフェに寄った 小百合にとっては珍しいことだ 紅茶好きで家には素晴らしいティーポットも持っているし 母がよく、おすすめの紅茶をくれる その辺りの喫茶店、カ…

誘惑の花

美奈子がここを辞めたのは いい寄る男が多くて、俊哉が心配して 今の工場に仕事を変わるように頼んだのだと言う 二人はこの間京子が見たように 今もラブラブで最初の約束を俊哉が守っていると言う 京子は少し考えた ここで一人でコーヒーを飲みに来るのはな…

小百合の幸せ

小百合はそこまでは考えない それは正しいことだ しかし世の中の多くの人は口に出さずとも あえて、危ないところに行った人間にも 罪はあると考えている そういう、危険に関することは たいがいの人がわかっていることだし それこそ、法律とかではなく 家庭…

小百合の幸せ

康太は章子の話を聞きながら みぃからも雅紀については安心するように 言われている 祐介とは離婚したが、彼の能力は誠実で本物 その彼が雅紀に心酔しているのだから 章子は今、結婚しても専業主婦になれる 「良かったな~それで、どうする?」 「大学には行…

誘惑の花

「ね~、ドラマみたいでしょう! 私もあの二人みたいな恋愛してみたいわ~ 私たちは、高校から付き合って 親も公認だし結婚もどっちの親も良いって言ってるんだけど 彼がもう少し、男友達と遊びたいなんて言うんだから」 店長も 「本当に美奈子ちゃんは良い…

嫉妬

祐介と雅紀を見て座り込んでしまった優美 雅紀は 「あ、この人、祐介の恋人? コーヒーを淹れましょう」 そう言って、台所に立つ 祐介は優美の力が抜けた時の目を見て 何を考えているのか想像して 笑い出してしまった 「誤解だよ~ 彼は今度のプロジェクトの…

誘惑の花

ひと段落すると、コーヒーを飲み終わったのに 立とうとしない俊哉に美奈子が しっかりした声で 「女遊びはしない! 仕事が終わったら、まっすぐここに来る 休みの日は一日私と過ごす どんなことがあっても悪いことはしない お給料は全部、私に渡す! それを…

嫉妬

祐介はそれでも、みぃにはない若い傍若無人さや 我がままさ、そして、その美しさに 結婚はしたいと思っていたのだ しかし、優美の嫉妬はもう、破裂寸前だった 夜中に仕事だから会えないと言う祐介 嫉妬のあまり、夜中に祐介のところに行きたい もう、仕事の…

誘惑の花

京子は美奈子を褒める佐由美にイライラした 電話番号くらい、覚えるわよ! 何、その家庭!姉がそんな人なら美奈子って女も そういう所、あるんじゃないの? そんな風に心で思っていると 「結局、美奈子さんが養子を取るとかで 俊哉さん、婿に入ってもいいぞ…

嫉妬

雅紀がみぃの兄である康太の娘の彼氏 初めてそう聞いたときは、いくら何でも 同族経営過ぎるだろう そう呆れていたのだが、雅紀に会って その一生懸命な情熱に感動した 「社長は君のほうがふさわしいよ 僕が徹底的に補佐するから」 そう言うと 前科があると…

誘惑の花

「すぐに住所と電話番号は覚えたんだろうな でも驚いたことに、覚えていたのは美奈子ちゃん 俊哉が財布をここに忘れたんだよ 美奈子ちゃんがスラスラと電話番号を言ってさ あの時は驚いたね」 店長は佐由美に同意を求めると 「あ、でも一緒に仕事してて美奈…

嫉妬

祐介はみぃと別れたからと言って 仕事に困ることはなかった ショウは祐介の実力は知っていたので 今まで通りでもいいし 気まずいようならば、ちょっと頼みたい仕事があると 別会社を作って、清掃関連のことをやりたいと言う その代表を康太の娘の彼であった…

誘惑の花

佐由美は 「俊哉さんですよ~ 私も彼にフラれたら、速攻、ついて行っちゃいます」 そんなことを言う 「でも、結局、付き合うことになるんでしょう もうすぐ結婚するんでしょう?」 そう促すと 「ああ、それがね~俊哉は美奈子ちゃんに 本気で惹かれたんだろ…

嫉妬

優美は一生懸命になりすぎ 祐介は少しずつ、ひいていく 優美は祐介に抱かれていても みぃにも同じことをしたんだろうか? どんなことでも自信満々なのだが 祐介にとって、自分の体はどうなんだろう? 年齢も美貌も生まれもすべて、みぃに負けてるとは思えな…

誘惑の花

店長は頷きながら 「俊哉って周りにいた女は本当に ズべ公ってやつしかいなかったし 自分が誘えば100パーついてくる女しかいなかった中で 美奈子ちゃんはなびかないし、男に興味がないって感じに やられたんだろうな~って思うよ 美奈子ちゃ、ほら、見た通り…

嫉妬

祐介は少しひいた 優美は祐介と一緒になりたいのだ 祖母が何といっても結婚したい でも、祐介の前の妻であるみぃが 心の中から消えない みぃと自分の間で、自分が負ける要素は一つもない それを知ってほしくて、こういう物言いになってしまうのだ 「で?」 …

誘惑の花

美奈子がここでバイトをしていた頃 俊哉は連れの啓介と二人で、毎日コーヒーを飲みに来ていた とにかく、ここでバイトする女の子は尻が軽く 誘えばすぐについていく 二人は揃って身長180超えのイケメン しかし、中学のころからの悪二人組ってっていうのは…

誘惑の花

「それが、今、お客さんでよく来るんだけど 普通っぽいよ!」 そんな風にはとても見えない だいたい、ピアスの穴や崩れたヤンキー特有の服なんか 全くない!どちらかと言うとごく普通の作業着や 真っ白のTシャツがよく似合う爽やかな成年って感じだ 私の信…

嫉妬

「生まれは確か、足立区って書いてあった それも、小汚い長屋のような所 父親はトラックの運転手、母親は男好きで 子育てなんかせずに、家を空けることが多かった 姉のミキは風俗で早くから仕事をしていて 兄の康太は東大卒ではあるけれど 最初の結婚の後、…

誘惑の花

彼女とは中学が違っていた 俊哉は同い年だ、美奈子のほうが2個ほど上らしい あ、学区が同じかもしれない 「ね、ね、中学の時に俊哉って同級生いなかった? 背が高くて、今は180くらいあると思うんだけど」 すると、彼女はビックリした顔で 「え~どうして知…

嫉妬

考えたこともなかった 大学までは祖母が敷いたレールを言われたとおりに歩いてきた 幼稚園で入って、大学まで受験もなく のびのびと友人たちと過ごしたから 自分では自分の希望通りだと思っていたが それは、最初から祖母の期待通りの学生生活 就職の時は何…

誘惑の花

その話は引くほど京子を驚かせた 京子はこの辺りでは、普通に頭がいい高校出身だったし 父親は公務員で悪いことなんか絶対にしない そんな環境で育った でも佐由美にしたら、親の財布からお金を抜くのは 当たり前のことだし中学時代に自転車の一台も盗んだこ…

嫉妬

「私は反対だよ! バツイチであったって、それなりの 家系に生まれたのならまだしも そこいらあたりの男で、財産もなくバツイチなんかに どうして、優美をやらなきゃならないんだい!」 優美はある程度覚悟していたことだったが 祖母は美しい男に弱いから 祐…

誘惑の花

「あの、美奈子さんってここで働いていたんでしょう?」 さりげなく話を振ると 佐由美は待ってましたとばかりに 「そう、あの二人、ここで知り合って 恋愛に発展したんですよ~」 すると、店長もコーヒーの豆を取り分けながら 「ちょっとしたドラマだったよ…

嫉妬

「あ、はい! 会社の出発点がそう言う店だったということは 知っています 今の幹部はほとんどがその当時の仲間だそうですから でも、実際にみぃさんがその仕事についていたわけではなく 最初に店に引き取られたのが中学の時で そこで働いていた経営の天才、…

誘惑の花

自分にも惚れている彼がいながら 何で、うらやましいんだろう そう思っていると 「美奈子さん、結構お金溜まったって言ってましたから 結婚も、近いみたい 私はまだまだだなぁ~」 すると店長が 「でも、土日彼の実家に泊まりに行ってるんでしょう? 親公認…