小百合の幸せ

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小百合は大学のころからずっと続けている
お茶の先生のところからの帰り
ぼんやりとしたくて、カフェに寄った
小百合にとっては珍しいことだ
紅茶好きで家には素晴らしいティーポットも持っているし
母がよく、おすすめの紅茶をくれる
その辺りの喫茶店、カフェなんかよりも
よほど美味しく淹れられるから
家に帰ってのんびり飲んだほうが、よほどリラックスする
よく、そう思っていたのだが
今日は、さっきお茶の先生が言ったことをもう一度吟味したかった

「小百合さんはお話を聞いていると
本当に素晴らしいお母様ね
それで、お嬢様は家政科を選ばれたの?
それは素敵だわ」

小百合にとって娘が家政科を選ぶなんて
思ってもいなかったし
章子が幼稚園からのママ友達には
恥ずかしくて言えなかった

これが小百合の頃ならば、自慢でもあっただろうけれど
今時は女の子も、医学部や法学部に入って
社会に出たら仕事をバリバリやる
章子はそこまでは頭が良くないけれど
この間まで、教育学部に入って教師になると言っていたのだ