嫉妬
「私は反対だよ!
バツイチであったって、それなりの
家系に生まれたのならまだしも
そこいらあたりの男で、財産もなくバツイチなんかに
どうして、優美をやらなきゃならないんだい!」
優美はある程度覚悟していたことだったが
祖母は美しい男に弱いから
祐介の見た目で許してくれるかもしれないと思っていたのだ
祐介は優美はどうしてこの老婦人の許可なく
結婚できないのだろうと不思議に思うだけで
別に何と言われても何も思わなかった
自分の人生に家柄だの財産なんかまったく関係のないものだ
みぃと結婚している間、全くお金を使う必要がなかった
すべてそろっていたし
店に入っても、みぃの夫となると顔パスだった
もちろん、みぃのフィールドの中だけ
でも、それで不便なことは何もなく
お金はたまる一方だったから、それなりのお金は持っている
みぃと離婚した後、かなりな金額が通帳に振り込まれていた
この祖母にしたら、自分は年上の女と財産目当てに
結婚するような男にしか見えないのだろう
優美は部屋に帰ると
「どうしよう、結婚できない」
「どうして?君は大人だし自由に結婚できるんじゃないの?」
優美は驚いたように
「え?おばあさまの許可なしに結婚なんか
ありえないことよ」
「どうして?」