嫉妬
祐介と雅紀を見て座り込んでしまった優美
雅紀は
「あ、この人、祐介の恋人?
コーヒーを淹れましょう」
そう言って、台所に立つ
祐介は優美の力が抜けた時の目を見て
何を考えているのか想像して
笑い出してしまった
「誤解だよ~
彼は今度のプロジェクトの中心
若いのに重大な任務を任されて
僕はその補佐を頼まれてるの」
すると、美味しいコーヒーのカップを優美に渡しながら
雅紀が
「僕、バカだから、祐介さんいないと
この仕事できませんからね
でも、すごくやりたい仕事だし
頭の中四六時中、このことでいっぱい
僕も彼女とはずっと会ってはいません」
そんな風ににっこり笑う
優美は真っ赤になって祐介を見る
「この仕事が一段落したら、結婚しよう!」
そう言ってしまった
すると、雅紀も
「あ、祐介さん!ずるい!
僕も結婚しよう!ここがうまくいったら、彼女養えるよね
僕の彼女、僕がバカだから、僕を養うために
大学に行って教師になるって言ってるんだけど
絶対、奥さんにしちゃおう!」
優美もなんだかほっこりしてくる
そして、祐介の周りのあまり喧々していない
そんな人間関係に入り込んでみたい
祖母には悪いけれど、生き方は一つじゃないのだ