2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

恋をしたとき

小百合は速水の言葉を待っていたかのように 「そう、そう思ってくれるでしょう? 私と主人が精魂込めて子育てしたのに いったい、どうして、あんな恋をしてしまうのかしら 生まれた時にはすぐに私がお世話になった先生に連絡して すぐに1歳半から通えるよう…

恋をしたとき

高校生になった娘のすべてを知っていることが 母の愛であり、義務であると信じている小百合 速水だってもちろん、そうあれば、自分が楽だと思う 星人のすべてを把握して、星人のすべてに干渉する もちろん、幼稚園から小学校低学年までは 絶対的にそっちが正…

逃亡

村では、だいたい噂話を面白おかしくして よけいなことを言ってみたりするタイプ そう言う下世話な人間を下に見ていて ややこしいその仲間にはかかわらないタイプ 両方いて、一見、かかわらないで我が道を選ぶほうが 立派なように見えるが それはそれで間違…

恋をしたとき

「あら、良さそうなおうちの方?」 「ええ、普通の奥様で 上の御兄弟の出来が普通より良かったから 雅紀君に対しては どう対処していいのかわからないっていうか なんだかマニュアル通りの方って感じ」 「ん?」 「ほら、挨拶とかはきちっとできて 間違いの…

逃亡

「美佐子さんはあんたが思っているよりも 数倍賢いし、心も綺麗だよ いいから、あんたはちゃんとシェリーの面倒を見るの」 チェリーはその日から、シェリーをおんぶしては 歌を歌って、うろうろするようになった 私にお茶を淹れながら 「さすが、お義母様で…

恋をしたとき

速水はそれならば、心配していることは 遠慮なく言わせてもらうことにした 「心配なのは章子ちゃんの恋心が無くなったときよね 普通ならば、別れましょう!で済むことも 彼のこれからのことに同情して別れられないとか そのまま付き合ったとして 雅紀君はち…

逃亡

「でも、あの女、子供も産んだことないくせに いつだって偉そうなんだけど!」 私はそんなチェリーを、本当に母親似で嫌な子だと 思いながら 「美佐子さんは子供を産んだことがあると思うよ あんたの子育ての手伝いが、赤ん坊を知ってる人のものだよ 今、チ…

恋をしたとき

さて、小百合さんが赤裸々に私に話せるだろうか 間違いのないことしか言わない それがまっすぐに育った彼女だ カトリックの幼稚園から大学 人を貶めるようなことは言わない 暇があるならば、ボランティア いつも、その口から出るのは間違いのない いい人の言…

逃亡

チェリーはムッとしたように 「だから、私はバカなんだ! そう言う理由だったのね」 「そうとも言えないけどね でも、シェリーのこと、ちゃんと考えなきゃ だいたい、もともと、仲のいい家庭でなかったにしても あんたのせいでこういうことになったんじゃな…

恋をしたとき

「小百合さんのように?」 頷きながら私を見る 私にはよくわかる 私がそうだったから 母と父は長いこと一緒になることはできず やっと一緒になり、私が生まれた時は 幸せの絶頂だったと母はよく話してくれた 章子と同じように高校に入るまで 母の言うとおり…

逃亡

チェリーはうんざりしたように 私の部屋に来ると 「ねえ、あの女、何母親面してるんだろうね バカみたい!」 私の横の部屋がチェリーと赤ん坊の部屋だから ドアが開いていれば、筒抜けだ もちろん、美佐子さんはそのことも計算済みなんだろう 「あんたのお兄…

逃亡

落ち着いてくると チェリーは赤ん坊が泣かなければ たいがい、スマホをいじっている すると、それに気が付いた美佐子さんが 「スマホ、やめましょうか? 何か赤ちゃんのことで困ったことがあったら わたしか、お義母さんに聞けばいいわ私たちがスマホで調べ…

恋をしたとき

小百合は、こういうものは お祭りの時ですら食べないのだ そして、はっきりと嫌そうな顔をするのだ でも、今は心ここにあらず 食べ物のことなどどうでもいいと言う感じだ 「さっきまで章子ちゃんたちが来てたのよ」 「ええ、知ってます だから来たの! 章子…

恋をしたとき

康太に後で聞いたところによると 雅紀はあまり複雑な犯罪は理解できない 幼稚園レベルの信号が赤では渡ってはいけない 喧嘩はしてはいけない 嘘をついてはいけない 恋愛に関しては、まだ、あまりよくわかっていないのに この顔だ、回りの女の子が 中学のころ…

逃亡

「私、会社で調査室にいたことあるんで ちょっと、心当たりある人に調べてもらいます」 美佐子さんはそうあっという間に決断すると 息子の弁当と拓の朝食を用意した 拓は帰ってくると嬉しそうに、それを見つけて 「お義母さん、ありがとうございます!いただ…

恋をしたとき

少しバツが悪そうに彼は入って来て 章子は本当にうれしそうに、そして自慢げに 「彼が雅紀君 ね、イケメンでしょう?」 「ホントね! ママは大丈夫なの?」 すると、雅紀のほうが 「あ、それはダメ!全くダメなんだよね! でもうちの親は章子ちゃんの関係の…

逃亡

「こっちのほうこそ、こんな風に転がり込んで 悪かったね~実はね・・・」 彼女にはすべてを話しておいたほうがいい そう感じて今までの経緯を話す 何と言っても私は年寄りで、 いつ、コロッと逝ってもおかしくない そうなると、チェリーの力になれるのは こ…

恋をしたとき

その二週間後 章子からラインがあり 彼を連れて行くから、たこ焼きいつもより多めで! その、彼とは? あれから、まだ、そんなに過ぎていないのだから 雅紀君だろうか? それなら、康太は大丈夫だろうが 小百合は? そんな心配をしながらも 中学、高校でバカ…

逃亡

「はい、私もそのほうがチェリーさんのためだと思いますが まだ、子育てにもなれない様子 夜中の授乳も大変そうですから しばらくはシェリーちゃんのために頑張ってもらって 少し落ち着いたら、食事の準備や掃除は 手伝ってもらおうと思っています」 完璧な…

恋をしたとき

「確かに、悪い良いの前に かなり知識が足りないと言うか 女の子をひっかけては岡本に流して その後、女の子がどうなるかってこと 全く想像できなかったらしい 岡本も雅紀には詳しいことは行ってなかったらしいし その最中にスマホで動画を盗れって言われて…

逃亡

息子のマンションでの生活が始まって 私は美佐子さんは本気で息子を愛しているんだと つくづく、感心した 私には韓国ドラマのように誠実に敬意を払ってくれる 私は五時に目が覚める、みんなの迷惑にならないよう 台所に行って、こっそりお茶を淹れようとする…

恋をしたとき

「高校は停学処分になって、家にいるらしいんだが 章子はそこに訪ねて行ったらしい」 速水は母を想った 「お母さんがお父さんと一緒になるまで どれだけ年数があったと思う? あの日々がなかったら 二人はもっと、幸せな時を長く一緒にいられたんじゃないか…

逃亡

赤ん坊が帰って来て 市役所に結婚届と出生届を病院の帰りに出してきたと言い 私は赤ん坊の名前に、一抹の不安を覚えた チェリーの時も、その名前を聞いたとき どうせバカに育つぞ!そう思ったものだが・・・ 『シェリー』だそうだ! 決めた時に拓からすぐに…

恋をしたとき

康太は頭を抱えながら 「わかってはいるんだ でも、わが娘のこととなるとね やはり理性を欠いてしまうよ」 「ねぇ、あの、雅紀って子と また、何かあった?」 「ああ、彼はあの事件で警察に調べられたけど 未成年だったし まったく悪気がないというか ちょっ…

逃亡

美佐子は挨拶をすますと 「お母様の部屋はこちらです すみません、お母様は家具にはとてもうるさいと お聞きしたんですけど とりあえず、ベッドだけしか入れられなくて」 昨日連絡して、ベッドまで用意してくれたのならば 本当に有能な女だ 「ああ、気にしな…

恋をしたとき

康太が突然やって来た 部屋に入るなり、椅子にどかっと座ると 「星人が一人でアメリカに行った時 何ともなかった? 確か、まだ、中学だった それもニューオーリンズなんて、得体のしれない所だ 笑って送り出したの?」 ああ、章子に何かあったのだろう 「え…

逃亡

驚いたことに息子の後ろから美しい女が出てきた 私は近所の若い嫁と逃げた夫を思い出した 無口で真面目な毎日は送るが 女に関してはまったくこらえ性がなく 気に入った女がいれば、いつの間にか連絡をしている あの夫の子供なのだ こんなことも考えておくべ…

恋をしたとき

速水は章子の気持ちはよくわかった しかし、本人が動くならともかく 自分が何かしてあげることはできない 「章子ちゃんは将来何になりたいとかないの?」 今の章子は本庄雅紀のことで頭は一杯なんだろう 「大学には行かずにお嫁さんになりたいわ! 別に、小…

逃亡

拓の裏切りが許せなくて とうとう、ここを見つけたのか? それにしても、部屋は用意しておかなくては 1週間もすればチェリーは退院する チェリーも赤ん坊もすこぶる健康のようだった さて、どうしたものか? すぐにどこか部屋を借りる余裕がないわけではない…

恋をしたとき

美しい顔、写真からもわかるスタイルの良さ これでは岡本のような男は放ってはおかないだろう 犯罪に使えるとしか思えない 私が感心していると 「ね~こんなに素敵なのに 頭が悪いのよ 信じられないでしょう?」 私は笑い出した 「そうね~もったいない でも…