恋をしたとき

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高校生になった娘のすべてを知っていることが
母の愛であり、義務であると信じている小百合
速水だってもちろん、そうあれば、自分が楽だと思う
星人のすべてを把握して、星人のすべてに干渉する

もちろん、幼稚園から小学校低学年までは
絶対的にそっちが正しいだろう
でも、高校生になった娘のすべてを知っているのは
悪趣味以外の何物でもない
もちろん、子供のプライバシーに踏み込んで
早め早めに対処することは大事かもしれない
しかし、中学、高校と少しづつ手を放し
どんなに心配でも、歯を食いしばって
全く子供のことなんか興味ない
いや、言い方を変えれば、信じているから!
その気持ちで接していれば、章子だって
彼とホテルに行くまでの反発はしなかっただろう

速水は無鉄砲な恋というよりは
半分は章子のそんな気持ちが招いた事件だった気がする

そして、その結果がこれだ

「わかる気はします!
真っすぐに大事に育った章子ちゃんには
文武両道の有名私立高校の優等生で
実家は医者か何かの仕事の家がぴったりな気がしますものね」

速水は小百合の本音が聞きたくて
少し、揺さぶるようなことを言ってみた