逃亡
落ち着いてくると
チェリーは赤ん坊が泣かなければ
たいがい、スマホをいじっている
すると、それに気が付いた美佐子さんが
「スマホ、やめましょうか?
何か赤ちゃんのことで困ったことがあったら
わたしか、お義母さんに聞けばいいわ私たちがスマホで調べたことを話してあげるから」
私はチェリーが妙な出会い系に
アクセスしていたのを知っていたけど
このバカ娘!と思っていただけで
いったいこの後どうなるか、知らんふりして見てみよう
そう投げ出していたのだ
美佐子さんはそこにもしっかり気が付いていたようだ
「だって、何をすればいいの?
こんな、ちっちゃい子、まだ、寝返りも打てないし
ご飯作る手伝いとか、掃除はやってるじゃん」
じゃ、暇になって、シェリーちゃんが起きてるときは
絵本を読んであげたり
歌を歌ってあげて見たら」
「バカじゃないの!こんな小さな子にわかるわけないじゃん」
すると、美佐子さんは私の名前を出した
「それなら、お義母さんに聞いてみてごらんなさい」
そう言うと、いくつか買ってあったであろう絵本を
シェリーの横に置いた