恋をしたとき

イメージ 1

さて、小百合さんが赤裸々に私に話せるだろうか
間違いのないことしか言わない
それがまっすぐに育った彼女だ
カトリックの幼稚園から大学
人を貶めるようなことは言わない
暇があるならば、ボランティア
いつも、その口から出るのは間違いのない
いい人の言葉

速水は少し意地悪にそう考えた
お金に苦労しない、スムーズな日々の人生
どんなこともかなえてくれる両親
そんな小百合が一体どう話すんだろう
いい人ならば、立派な人ならば、母であっても
雅紀のことを悪くは言えないはずだが・・・

しばらく考えていたが、小百合はしっかりとどまった

「雅紀君には何も言うとこはないわ
あの犯罪まがいのことも
彼には判断力がなかったらしいし
今は悪い友人の影響を受けやすいからって
一緒に話したり、遊んだりするのは章子だけ
心配なのは章子にそれを受け入れる器がないんじゃないかって事」

速水は頷きながら
大したものだと感心した
これが育ちの良さというものだろう