恋をしたとき

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速水はそれならば、心配していることは
遠慮なく言わせてもらうことにした

「心配なのは章子ちゃんの恋心が無くなったときよね
普通ならば、別れましょう!で済むことも
彼のこれからのことに同情して別れられないとか
そのまま付き合ったとして
雅紀君はちゃんと就職できるのかしらね?
もちろん、章子ちゃんがバリバリ働いて
雅紀君を養うなんてことも良いとは思うけれどね」

小百合はため息をつきながら

「昨日ね雅紀君のお母さんが訪ねてきたの・・・」

それは章子にとっては大喜びなことだったけれど・・・
小百合は、さて、いったいどうしたらいいものか迷った

「章子さんと仲良くしてもらっているようで
本当にありがとうございます
あんな事件を起こして、被害者でもある章子さんが
許してくれるなんて、夢にも思っていなかったです

章子さんから雅紀とお付き合いさせてほしいと聞いたときは
何かの間違いかと思いました
でも、章子さんは雅紀の発達障害のことも
しっかりわかっていてくれるようで
本当にありがたいことなんですけれど
章子さんの親御さんのほうは納得してくださっているのでしょうか?
聞けば、お父様は弁護士さんでいらっしゃって
あの事件の時にも、お父様がいらっしゃらなかったら
章子さんはどうなったことか・・・」