2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

康太の深淵

本に載っている通りの朝食 さっそく食器もその通りにしたいらしく 同じものを揃えたり 掃除も完ぺきで本の通りにやり始めた なるほど 康太はひとまずは納得のいく家庭生活ができた それでも、朝食はその指南書に載っている3種類のローテーション 康太は飽き…

発達障害の母

これが偏見なのもすべての発達障害、知的障害のある人に 当てはまるわけじゃない ただ、母は自分以外の、 いや、自分がそういう種類の人間であることに気が付いていないが 自分以外のそういう種類の人を嫌い馬鹿にする それなのにその、一範を相手にするって…

康太の深淵

やっぱりそうか! 康太は少し納得したが 父親にそれで困ってますとは言えなかった 「そうですか いえ、ミツホはよくやってくれています」 そう言って別れた 康太は少し考えて 本屋に寄った 参考書があれば、すべてを決める母親がいれば ちゃんと大学に合格で…

発達障害の母

もう、人にアドバイスなんかできる立場になんかない そんな思いに駆られて、そのあとの話は上の空だった 「あの、問題は学力なんですけど・・・・・」 「ああ、それは、やっぱり塾にやらないと ほら、ここから車で45分のあの市なら そういう塾もあるから、…

康太の深淵

「康太君、遠慮なく言ってくれていいんだ 妻もミツホが生まれるまで、不妊治療で苦労したし 二人とも年を取ってから生まれたから かなり過保護に育てたと思うよ まぁ、そこは許してほしい ただ、それだけじゃないんだろう? 妻には言えなかったが ミツホは少…

発達障害の母

帰って来て久しぶりに母に会い 発達障害なんてやつは本人の努力の他なのだから 仕方がない、母の人格とは別だ 何度そう、言い聞かせてきただろう 今度もまた、私はそれは母のせいではないと 心に言い聞かせながら 恥を飲み込んだ 「そう、えっと~、そういう…

康太の深淵

すると、父親の方が 一人で追いかけるように 「あ、そこら辺でお茶でもどうだい あいつがいると話はできないからね」 そう言って誘った 康太は驚いたが一緒にコーヒーを頼むと 「何かミツホに不満があるんじゃないかね? 私はミツホは可愛いが まぁ、ちょっ…

発達障害の母

あ、父は何年前に亡くなったんだっけ?すぐにそう考えたああ、そう言えば母が今の私と同い年くらいの歳だそれから、ずっと一人この二人の話方や目つきそして母の私が子供の頃父以外の男の人や若い男に対する態度もしかしたらそうなのかもしれないその淫乱バ…

発達障害の母

「あ、それは.....」村のことなら私もこの村出身だ東京なら警察沙汰になるようなことも昔から知ってるからとかあの人はお金があるから村で何かあった場合はなんとかしてくれるなんて理由で事件にはならないこともあるそういうことを振り回すような正義感なん…

康太の深淵

「私たちは結婚が遅かった上に なかなか、子供にも恵まれなくってね ミツホは本当にやっとできた子供だったの だから可愛くて仕方なかったし 完璧な子育てをしたのよ 私は高卒だし、夫も大した大学は出ていないの でも、ミツホは小さな頃から 公文式や能力開…

康太の深淵

その言葉はなんとなく ミツホはそうじゃないかい? そのタイプだった気がしたよ そう言っていると感じて その足でミツホの実家に手土産を持って 遊びに行った 「あら、今日はお一人?」 そう言って母親が嬉しそうに飛び出してきた 「あ、ちょっと、近くまで…

発達障害の母

「でも、中学頃からなんとなく女の子につきまとうようになってその頃は何をするわけでもなかったんですが気に入った女の子の家までついて言って帰るみたいな感じでしたその頃、うちの人がちょうど村長になって村の人たちがみんなで追い出そうとしていたのを…

康太の深淵

「でも、それをたゆまぬ努力で 補ってくる生徒もいるんだ もちろん、うちの大学だと たゆまぬ努力をひたすらできる才能も 持っている しかし、それは自分の知識欲からなんだ だいたいがそういうタイプの生徒で 非常に我々も嬉しいんだが たまに自分の知識欲…

発達障害の母

「この村から西の方にちょっと行ったところに小波さんって家があるんです」「ああ、もしかして昔、山崎のバァがいたところ?」私が小学校の頃村の誰かの親戚のおばあさんが住んでいた小学生には気持ち悪いおばあさんに見えて誰も、そう呼んで近寄らなかった…

康太の深淵

「あ、、そうなんです 姉さん、僕たちは普通の家庭じゃなかったから 僕は普通であればどんなことでも我慢できるよ 料理が下手、お金使いが荒い、掃除をしない そんなことぐらいなんでもないよ」 すると、沢村が 「長年、たくさんの生徒を見ていると なんとな…

発達障害の母

恵子ちゃんといつもの喫茶店に行くとマスターが嬉しそうに「あ、あ〜ちゃん、久しぶりだね」そうだ、最初の頃は少しの時間でも母に拘らない時間が欲しくてここにコーヒーを毎日のように飲みにきていたがそういえば知らないうちに毎日来ることは無くなってい…

康太の深淵

「バカなの? いい加減にしろよ もう少し段取りよくできるだろう?」 そんな言葉を投げつけて しょげているミツホを見ていられずに 家を飛び出した そして、姉のところにまっすぐに行った 今までのことを話し こんな言葉を投げつけてしまった自己嫌悪に 落ち…

発達障害の母

は母一緒に食べたがるから一緒に食べるが猫舌で食に全く興味がない母しかし、人間が食事に対してうんちくを行ったりするのはどうやらかっこいいらしいくらいの認識はあるから口ではテレビの食リポの言うようなことを言いたがるしかし、トンチンカンだし実際…

康太の深淵

話をしていて あまりにトンチンカンな答えに うんざりしてしまう 食事中もミツホが作った食事が 美味しくないのだが たまにインスタントでない時には 「どう?頑張ったの! 美味しいでしょう!」 そう言って褒め言葉を期待する そういえばミツホは何をやって…

発達障害の母

そう言いながら時計を見るともう、昼食の時間だ「よかったら、あそこの喫茶店ででも一緒に食事しない?」「あ、はい。でも。お母様は?」私は母と食事をできるだけしたくないそのぶん、心を込めて母の好きなもの体にいいものを作るのだ数種類作って目にも鮮…

康太の深淵

何にでもオーバーに喜ぶ 女子高生ならばそれでもいい 康太がミツホを可愛いと思っていた時ならば それもいいのだが 今になると、それすらうんざりしてくる 銀座の高級スィーツも 「きゃあ~美味しい!」 スーパーの二個二百九十八円のケーキも 同じテンショ…

発達障害の母

母は普段から自分脳内に浮かんだことを気ままに話すからトンチンカンなことが多いのだ「ネコさんが村長になったおかげでいいことはたくさんあったけどあれを野放しにするくらいなら前の賄賂まみれの村長の方が良かった」説明はトンチンカンなのに人の悪口は…

康太の深淵

そういうことも、許せる 自分の生い立ち、あのボロい家 全てがミツホに文句を言えるような そんな育ちじゃない ミキが帰ってくるまで いつだってぐちゃぐちゃだった それよりも ささいな言葉のやりとりに 苛立つことの方が多い 「ほら、この間話をしてた ケ…

発達障害の母

私はなんのことかわからずに母を見ると母は「一範のことなんだろう?あんな奴がいると、女の子はここらあたりの学校にやらせられないよね親がついて回るわけもいかないし」恵子ちゃんは私を見て「ええ、それもあるんだけど」「ごめんなさいその、一範って人…

康太の深淵

カードを渡したけれど 自分なりに考えて使っているのだろう 康太が驚くような金額は使わない しかし、相変わらず料理はひどかった まず、数品並べようという気はないようだった ミキはお金がなくても 二、三品は豆腐やこんにゃくを工夫して 一汁三菜くらいに…

発達障害の母

しかhし、恵子ちゃんは乗り気で「樹奈も連れて行きました制服が気に入ったみたいだしなんか、みんな洗練されていて私もこんな学校で勉強したかったそう思えるようないいとこでした」「ネコは?」「主人は女子校っていうのが気に入ったみたいでこれから、ここ…

康太の深淵

すると、ばつが悪そうに ブランドのバッグを持って来た 「これが欲しかったから 買ったんだけど、ごめんなさい」 ああ、それならば別に構わない 確かに専業主婦なんだから 女の人が自分を飾るものを買いたがるのは 当然のことだろう 姉のミキはあんな性分だ…

発達障害の母

そんな保険金詐欺のような人の共済には入るなと言いたかったが母は災害の写真を他の大変な災害の家の写真とお差し替えてお金を多くもらうのが悪いことだとも思っていないその辺りはいくら説明してもわからない保険の人がそれをしてくれるんだからなんの文句…

康太の深淵

康太もミキと同じように ごく普通の家庭が欲しかった 母親は男漁りさえしなければいい そういうふうに考えていた ミツホは男漁りはしない だから、OKってわけにはいかなかった 子供を作るのを躊躇し始めたのは その、不思議な思考回路 康太が一ヶ月の食費、…

発達障害の母

保険屋が帰った後で母はすごく嬉しそうに「あの人はいい人でね〜ありがたいよ。あんたも建物共済に入るならあの人にしてあげてねあ、でも、東京は遠いかしら」そんなことを言うお金に関しては私は口を出さないそれは初めから心に決めていたお金を自分で好き…