康太の深淵

その言葉はなんとなく
ミツホはそうじゃないかい?
そのタイプだった気がしたよ
そう言っていると感じて
その足でミツホの実家に手土産を持って
遊びに行った

「あら、今日はお一人?」

そう言って母親が嬉しそうに飛び出してきた

「あ、ちょっと、近くまで来たものですから」

もう、定年退職している
父親も嬉しそうに出て来た

コーヒーとケーキを前に
康太が不審に思われない程度に
ミツホの子供時代からの話を聞く
母親は自慢の娘だ
なんでも娘のことは答えたいという感じだ
そういえば、二人ともミツホの年にしては
結構な年だった