発達障害の母
そう言いながら時計を見ると
もう、昼食の時間だ
「よかったら、あそこの喫茶店ででも
一緒に食事しない?」
「あ、はい。でも。お母様は?」
私は母と食事をできるだけしたくない
そのぶん、心を込めて母の好きなもの
体にいいものを作るのだ
数種類作って目にも鮮やかに
母が喜ぶように気を配る
しかし、一緒に食事をして
こんなに食事がまずい人も
いないんではないかと思う
子供の頃の食事は白いご飯に
漬物、白いご飯にインスタントラーメン
白いご飯にとにかく
手のかからないおかず一品
その白いご飯も毎日違うできあがり
妙に硬かったり
柔らかすぎたり
とにかく料理と呼べるものが
出て来た試しはなかった
美味しいものは大概父の手によるものだった