康太の深淵

本に載っている通りの朝食
さっそく食器もその通りにしたいらしく
同じものを揃えたり
掃除も完ぺきで本の通りにやり始めた

なるほど
康太はひとまずは納得のいく家庭生活ができた
それでも、朝食はその指南書に載っている3種類のローテーション
康太は飽きてくると、朝食レシピのサイトを検索するように指示する

そうなのだ、まるで出来の悪い部下の育成をしているようだった
部下には二通りある
教えなくても自分から仕事を探し、工夫して自分のものにしていくタイプ
そして、事務は完璧にこなすが指示待ちのタイプ

康太が家事の何たるかを調べて
そのマニュアルを見つけて
ミツホに渡す
ミツホはそれをこなすための一日を送る

うまく家庭は回り始めたが
これが家族だろうか?