発達障害の母

千枚田の丘を歩きながら

思いつく限りの汚い言葉を口にした

 

「あの糞ババァ、ほんとに、死ねばいいのに

なんで子供を産もうなんて考えたんだ!

能天気にあの顔をさらして生きていけるなんて

信じられない!」

 

そんなことをぶつぶつと言っていると

後ろから突然

 

「誰のことですか?

この村、ババァ、たくさんいるからね」

 

そんな間延びした声が聞こえて

私は驚いて振り向いた

 

そこには立派な青年が立っていた

身長は180くらい、色白の肌に真っすぐな眉

痩せてはいないが太ってもいない

真っ白な歯が美しい

私にはすぐにわかった

たぶん、彼が一範だ