2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

発達障害の母

これを見つけた時、僕は「まさか!」としか思えませんでした 母が文を書くなんて初めて知ったことでした 日記はもちろん、メモ、家計簿なんかですら つけていることすら見たこともなかった 母はあまりしゃべらない人で、 今まで自分がどんな育ち方をしたとか…

星人の不思議

だいたい、家の中で教育は完了する 祖父のところに行けば 昔の古いお話を古語で聞くことが出来るくらいだ 何といっても 6歳の星人に国語と英語の家庭教師が 現役の東大教授だ 理科や算数は康太が面白がって教える 康太の今の妻は、 あれから康太は何人も恋人…

発達障害の母

僕がこのブログに気が付いたのは 母が逝ってから、二か月後だった 母は死ぬと言うことに何の意味も求めないような人で ある日突然、心臓まひで逝ってしまい その後は自分の体はある、大学病院の献体にするように 手配してあり、葬儀など一切しないようにと言…

星人の不思議

星人は自分の家が随分ほかの家と違うことには あまり気が付いていなかった 公園で知り合った同い年のお友達が 幼稚園ってところに行っているのは知っていた 一度、ママに 「僕も幼稚園ってところに行ってみたい!」 そう言ったら、すぐに連れて行ってくれた …

発達障害の母

まるで、私のすべてを否定しているのに いつだって、子供のことを想わない母はいない 子供の幸せが親の幸せだと、口にしてはばからない母 そう、母がどんな人間でも構やしない 発達障害であったって、今だって、けっこうな割合で いるのだから、その昔、母が…

タケオの小さな願い

速水とタケオは心の話を二人ですることはなかった 速水もタケオに恋い焦がれていたのに それを口にはできなかったし タケオも速水に対して愛しているとは言えなかったが その頃から二人の間には 同じような空気が流れ まるで、父と母のような時間が出来上が…

発達障害の母

私の中では偏差値を重視する教育は 世間の考えとは反対で、とてもありがたかったのだ しかし、母は勉強ができるなんてことは のびのびと明るい人間の真反対と決めつけていて 全く興味の対象でもなかったし 勉強ができることが残念なことだと思っていた 女の…

タケオの小さな願い

そのワインを開けながら 速水の育った環境に脱帽する もちろん、両親とも速水のいた世界のことも そして、タケオが一体どういう仕事をしていたのかも 聞きはしないが、察しはついているはずだ しかし、そのことをまったく気にしていない もちろん、速水だっ…

発達障害の母

いじめもほとんどなかった頃なんて断定はできないが 私の周りは、意地の悪い人も、そして、いい人も少なかった 皆普通以下くらいで毎日を過ごしていた中学生だった そんな中で成績順や偏差値なんかで 人が評価されることは良くないことかもしれないが 頭のい…

タケオの小さな願い

ちょっと、高めのプチフール 速見と二個ずつでマンションに帰る この間から飼いだしたネコが一番にやってくる 次に速水が星人を抱いて出迎えてくれる 「おかえりなさい 星人がぐずるから、簡単なサラダしか作れなくて・・・」 速水は水色のエプロンに 髪の毛…

発達障害の母

偏差値、なんてすばらしいシステムだ 中学の頃、村の中では私は 少し足りない母親を持った、おとなしい真面目な子 ただ、それだけでみんなに見られた ちょっと、明るく話をしたり、元気に騒いでいたりすると すぐに、何調子乗ってるの、母親がアレのくせに …

タケオの小さな願い

速水にはタケオのそんな気持ちなど全くわからない 速水はただ、今でもタケオに恋をしているだけだ そして、二人の子供である星人との生活が この上なく幸せなだけだ 最近、タケオがみぃのところで働いているのも知っている みぃはタケオの人を見る目が確かな…

発達障害の母

最近は自分が発達障害であると認識している母親もいて 色々と悩んでいる話も聞くが 理屈に合わないことを平気で口にしている女は ほとんど発達障害ではないかと疑ってしまう私がいる 田舎の小学校でテストはおろか宿題さえもないような のびのびとした学習環…

タケオの小さな願い

速見と一緒になりたかったのは お金のためではない 最初に速水を妊娠させて結婚に持ち込もうと思ったのも 実は母に対する反抗だったと思う 母が一番嫌いでさげすんでいる風俗の女 そして、それで稼いだ莫大なお金 本当のことを知ったら母は気が狂うかもしれ…

発達障害の母

私にとっては、 全くの偏見であることを自覚して言わせてもらうと 本当に母と一緒だと思う そう言う女に限って仕事で得た収入は塾代、生活費 なんか言うのだが、実はブランドのバッグを買ったり 外食を増やしたりと自分のためなのだ 私の母がいつだって子供…

タケオの小さな願い

タケオは最近、速水以外の女をお金で抱かない ただただ、それは母への反抗心からだと気が付いたからだ 母に知らせているわけではない 母は今も、高校受験に失敗して家出をしても しっかり自分で生活して親の助けなく、 立派に有名私立大学に入った そして、…

発達障害の母

もちろん、好きなことが出来る女の幸せとか 母のようにバカじゃない女たちが子供をもって バリバリ仕事をする いいことなんだろう しかし、私は賢くて美しくてお金があって 子育てだけをやっている専業主婦を知っている 彼女らの子供は明確に違う 世間は働く…

タケオの小さな願い

親になったらわかる! 母親から何度もそう言われて 素直にそうなんだと頑張って来たが 親になってわかったことは 今までの親のやっていたことの全否定だ 母は常に幼稚園でも小学校でも 二人の息子が賢いことが自慢で そのためにひたすら時計のように勉強させ…

発達障害の母

世の中が作った幻想 もちろん、立派な母親もたくさんいるだろうが 私が子供の目で見ていた田舎の母親たち 正敏の母親もそうだったが、立派なお母さんなんか いったいどこにいたんだろう お金に汚い母親、子供の面倒をろくに見ない母親 男に緩い母親、夫にパ…

タケオの小さな願い

星人を毎日抱いて、頬をくっつけ笑ってくれると 本当にうれしい 速見をはじめ、他の家族の誰も知らないことだが タケオは速水との子供が欲しくて 自分が意図して作ったのだ かわいい子供、裕福な家庭、自分がそうなるように 速見を抱いたのだ それは世間的に…

発達障害の母

発達障害で、頭が悪くて、料理も掃除もできない 話も家族の会話の中ではトンチンカン 嫌いではあったが、心は透けて見えるわかりやす人で 子供ながらも苦笑いという場面が多かった しかし、このことを知ったとき、私は完全に母を憎んだ こんなにずるくて、バ…

タケオの小さな願い

タケオは高校受験に失敗して家を飛び出した あの時、自分が親だったらどうしただろう 母の口癖に 『親になったらわかる』 って言うのがあって、それが心に沁みついている そして、これまで、自分の家族は間違いない その家族のきっちりとした結束を乱し 父や…

発達障害の母

小学生の私にはそれを詳しく言葉にはできなかったが それまで、母がどんなに馬鹿なことをしても 父が好きでたまらないのは間違いないと思っていた 母は子供の私に、父をどんなに好きかをよく話した 「うちの父ちゃんは本当にいい人だよ~ 母ちゃんは誰よりも…

タケオの小さな願い

星人はタケオが抱くと 嬉しそうに笑うようになった 理屈ではなくこの小さな自分の子供の前で あまりに理不尽なことはできない そして、速水を真剣に愛したい そう思う気持ちがわいてきた それは自然な気持ちで、自分から立派な父親になろうと そんな風に思っ…

発達障害の母

美しいあこがれ、本を読んで知ったものとは 全く違うものだった 松尾先生に用もないのにべたべたと いかにも私の勉強に関心があるようなふりをして おにぎりを渡す それでも、松尾先生にはその当時別の学校で同じように 小学校の先生をしている恋人がいるの…

星のような

赤ん坊は無垢で可愛い その瞳はタケオにそっくりで 星人は速水のように色が白くて透明だ 星人に周りの誰もが心を弾ませた なんだか、あの小さな汚い家で始まったこの家の歴史が この小さな男の子で変わる気がした 沢田だってそうだ 自分の血を受け継いだこの…

発達障害の母

それよりも何よりも その松尾先生は私を優秀な生徒と認めてくれていた 都会の小学校で研修をしてきた先生は 田舎の生徒の学力の低さに驚いていたのだが その中で私を見つけて、驚いていた 特に作文に関しては小学生とは思えないと 良く褒めてくれていたのだ …

発達障害の母

戦争経験者の年寄りの教師は脳溢血で倒れて、あとからその若い松尾先生がやって来た村の若い女たちは用もないのに小学校に来るようになったその頃の田舎の小学校は教師の 宿直というシステムがあった松尾先生が宿直で泊まった朝は朝ごはんのおにぎりを持って…

星のような

ミキだけではない みきが間違っているわけではない ほとんどの人が思っていることだ 風俗は悪だし 男と女はただ1人の人を愛するのが理想だ 本当はそんなこと誰もできないのに 美しく作り上げた小説、ドラマ、映画 そんなものをみんなお手本としている でも、…

星のような

沢田はその時に、速水の前の仕事を 心から良かったと思った 心は体とは関係ない 誰に抱かれようが、それが仕事なら 心は全く別だ でも、タケオが速見を傷つけたくてやってることは 速見にはそう、心の傷にはなっていない それは、速水が風俗をやっていたから…