タケオの小さな願い

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速水とタケオは心の話を二人ですることはなかった
速水もタケオに恋い焦がれていたのに
それを口にはできなかったし
タケオも速水に対して愛しているとは言えなかったが

その頃から二人の間には
同じような空気が流れ
まるで、父と母のような時間が出来上がった
星人がどんな人生を歩もうとも
この揺るがない時間がある限り
大丈夫だと速水は確信した

そして、幼児教育に奔走することも
幼稚園選びにあたふたすることも
そして、私立のお受験もすることはなく
二人の同じ思いの中
星人はすくすくと育った