タケオの小さな願い

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星人を毎日抱いて、頬をくっつけ笑ってくれると
本当にうれしい
速見をはじめ、他の家族の誰も知らないことだが
タケオは速水との子供が欲しくて
自分が意図して作ったのだ
かわいい子供、裕福な家庭、自分がそうなるように
速見を抱いたのだ
それは世間的には嫌な男に思えるかもしれないが
タケオは速水と離れるのは嫌だった
そして、そこをつなぐのは子供しかないと思ったのだ

こうして親となってみると
自分の家庭はやはりおかしかった

今、目の前でかわいらしく笑っている赤ん坊が
高校受験を失敗したって、なんということもない
もはや、受験などしなくてもいい
だから、速水が学校にやりたくないと言ったときに
すぐにそれでいいと思った

姑である、ミキにはタケオは無責任に見えたかもしれないが
自分のその昔を思い出していたのだ