タケオの小さな願い

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そのワインを開けながら
速水の育った環境に脱帽する
もちろん、両親とも速水のいた世界のことも
そして、タケオが一体どういう仕事をしていたのかも
聞きはしないが、察しはついているはずだ
しかし、そのことをまったく気にしていない
もちろん、速水だって人に大っぴらに言える仕事ではなかったのだから
タケオの仕事にケチは付けないだろうが
そういうことじゃない
すべてのことを受け入れるような
そんな大きな愛を感じるのだ
義母であるミキは少し硬い感じはするが
義父の何でもわかっていて人生を面白がっている
それは自分に対しても出し、娘に対しても出し
タケオに対してもだ

ミキは違う、色々な苦悩の果てに
これが最善であろうとタケオに笑顔を送ってくれているような
そんな優しさに満ちている

中学を卒業して、それから、この日本では底辺の人たちの中で
もがいて、毎日、何とか食べていける道を探した
そしてたどり着いたのが速見と、その家族
今、ベビーベッドの座って笑っている星人

人はこういう所に来るべきだと思う
ただただ、世間や違う人間の評価を物差しに生きるべきではない