タケオの小さな願い
速水にはタケオのそんな気持ちなど全くわからない
速水はただ、今でもタケオに恋をしているだけだ
そして、二人の子供である星人との生活が
この上なく幸せなだけだ
最近、タケオがみぃのところで働いているのも知っている
みぃはタケオの人を見る目が確かなのを知っているから
ありがたがっている
まるで普通の家庭みたい
速水はこんな日が自分にやってくるとは
思ってもいなかった
朝、早起きして星人にミルクを飲ませ
手早く朝食を作る
タケオはスーツに着替えて食卓に着くと
速見の作った朝ご飯をあっという間に平らげて
コーヒーを飲むと、仕事に出ていく
夜はタケオから夕方4時くらいに
何時くらいに帰るかのラインがくる
「今日は6時には帰れそうだから
デザートでも買って帰るよ」