2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

逃亡

ショウは慣れてくると、おしゃべりなのがよく分かった 「それよりさ~ばあちゃん、チェリーにお金やったの?」 「やらないよ!」 すると、めちゃくちゃ嬉しそうに 「ほんと!! よかった~!!!! 俺、赤ちゃん殺すのって駄目だと思うよ だって、それって、…

暇な奴ら

新開は嬉しそうに 「社長!速水さん、ありがとうございます 鋼はあれから、すっかり夫の腰ぎんちゃくのように 周りをうろうろしています ゲームが出来上がるまでを、いろいろ見ていて すごく大変なのもわかったみたいだし 夫ほど頭はよくありませんけど あい…

逃亡

「よけいな話しないで!」 チェリーがそう言ったが 私はショウにかまわないと言わんばかりに 「ショウはチェリーとどうやって知り合ったのかい?」 ショウはチェリーのほうを見ながら 「あ、えっと~ 俺、バイトでチェリーの学校の花壇の手入れに行ったんだ …

逃亡

「チェリーとの関係は?」 「彼氏っす!」 チェリーはむくれて、奥のベッドに座っている 「嘘だよ!」 「嘘だって言ってるよ?」 「え?だって、最近はしょっちゅう俺のところに泊ってるし 彼氏にしてあげてもいいって、言ったよな? あ、でも、違うか!チェ…

暇な奴ら

速水とみぃは 確かに普通の場合ならば 父親に相談するべきことなんだが この新開社長、どう見たってオタクとしか思えず ゲームに関しては鋭い感性と 新しく開発していく能力 そこには誰もが一目置いていたのだが 自分の子供、家庭なんかには全く能力のない …

逃亡

「今の男って・・・・ おばあちゃん、うちはそんなに男好きじゃ・・」 玄関でガタガタッと音がした 「誰か、連れて来たんだろう? この寒いのに、外じゃな可哀そうだよ 入れてやりな!」 「連れてきたわけじゃないの~ もう、早く帰ればいいのに」 私がドア…

暇な奴ら

「妻には子供をちゃんと育てなければ そんな概念はありません 僕が初めに知り合ったときにも あまりのいい加減な子育てに、驚いたものです でも、僕と結婚してお金持ちの奥様達の子育てを 見栄を張るために頑張ってやり始めたんですけど 鋼は勉強はできるほ…

逃亡

チェリーはくねくねして、困ったように落ち込んでしまった 他に隠していることがあるんだろう 私が気が付いたキスマークは昨日や今日のものだ 拓とは一回きり、計算で言えば3か月前のことだ 動画で見た限り、えらい、いい男で 再生回数だって半端ない あの男…

暇な奴ら

速水はみぃのその言葉に救われる思いだ そこに新開がやって来た 夫のほうだ 「あら、何か問題でも?」 みぃが仕事のことだと思って立ち上がる 「いや、そうじゃなくって」 新開の夫は、多分、新開よりも10くらい下のはずだ どんな時でも冬場はユニクロのセー…

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「一回寝たら終わり! そんなことはわかっていて、ストーカーみたいに付きまとって 避妊もせずにやっちゃって、いや、やってもらって 私に言わせれば、拓ってやつに悪いところは一つもないね そして、妊娠したら産みたくないってか? チェリー、いい加減にも…

暇な奴ら

「お姉ちゃんは、なまじ小学校に通って 優等生で立派な母親とか家庭とかに しなければならないってことを知っていたから お母さんのことも、あのエロ爺さんのことも 許せなかったんだと思うけれど 私は基準にすべきものを知らないから 小学校に毎日通わなけ…

逃亡

「ちょっと、その動画見せて見な!」 見れば、まぁ、イケメン! 「間違いなく、この、拓ってやつの子供なのかい?」 チェリーは怒って 「うちはそんな軽い女じゃない!」 笑うしかない!こんな奴と寝るのだ、軽すぎるだろう! この顔ならば、けっこうな顔の…

暇な奴ら

「子供の能力に関しては あまり、小さい時からどうのこうのって 辞めたほうがいいんじゃないかしらね~ ものすごい運動能力とか、大人が見て 絶対的な才能を本人が楽しくできれば問題ないけれど 楽しくないのに、ストレスを感じながらさせるのは その時間、…

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「彼は?どうしろって?」 すると、チェリーは困ったように横を向く 「そんなこと、問題外ってことかね?」 「うん・・・・」 ほとんど、相手にされていないってことか? それでも、子供はできている 「はっきり言いな!なんとかしてあげるから」 しばらく、…

暇な奴ら

みぃは苦笑いしながら 「お姉ちゃんに惚れてる正二さんを 何とか振り向かせたくて、真剣にやってただけ それに、正二さんは学歴はおろか 小学校もまともに行ってない人生だったけど 頭がよかったからね 一度見たものは、何でも完璧に覚えてたよ あの頃、小屋…

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チェリーはビックリしたように 「さすがおばあちゃん!すぐわかるんだね~ ママなんか、何にもわかんないよ ママは別のことで忙しいけどね」 妊娠してるかしてないかは 世間でいうほどわかりやすくはない つわりの時期か、おなかが目立ってくる6っか月以降 …

暇な奴ら

「子供って人それぞれだから どれが正しいとは言えないし 大人になってそれがダメだったら 仕方がないんだよ!」 速水が投げ出すように言った 「私は幸せを絵にかいたような 愛し合う二人の間に生まれたのに 祖母そっくりだったし あの頃、みぃさんが拾って…

逃亡

「言いたくない!」 「チェリー、あんた本物のバカだね 私が『なんに使うんだい?』って聞いたら 話によっちゃぁ、出してもいいって事だろう くらいは人の気持ちを読めなきゃ もう、おしまいだね」 ぶ~っとしながら 「だって、どうせ叱られるから~」 「そ…

暇な奴ら

確かに、ほとんどがマーチ以下 その中に数人、慶応、早稲田、地方国立が一人 みぃに話すと、驚いた 「そんなもんなんだ~子供のころ、あんなに勉強するのに!」 速水もうなずきながら 「うちのタケオなんか、一度リタイアして慶応じゃない 私自身は途中でこ…

逃亡

チェリーがバカなのは母親のせいだと言いたいが 違う! 男と女、友人、誰でも、自分のキャパの範囲内の人間が 集まったり、惹きつけられたりするものだ いじめられる人間がいつまでも、そこにいるのは そう言う人間関係の微妙なレベルの問題だ あの嫁を選ん…

暇な奴ら

速水はミキと東大教授の父のもと 小さなころから、英才教育を受けて いや、幼児教育なんかじゃなくて 父が速水の側にいたいがあまり 速水には物心ついたころから、父の優しい声で たくさんの絵本を読んでもらったり ミキにはドイツ製の素敵なおもちゃや 和風…

逃亡

チェリーは喋ったことは、そのまま垂れ流し 会話にならないような、所がイライラする 「なんか食べたい! そんで、お金もらえないかな~」 相手をするのは辞めて さっさと、おにぎりとみそ汁を出してやる 「うわ~小学校以来だ~お味噌汁!おにぎりははコン…

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「学校は上に上がれるのは間違いないから ま、いいかなって」 新開はあまりに呑気で呆れる 「ねえ、新開さんはどんな小学生だったの?」 「え?私?あ~こんな感じかな~ 勉強はしなかったから、できなかった でも、みんな、そんなもんだったわよ 田舎の小学…

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しばらくそのアパートで大人しく暮らしていると 突然、チェリーが来た 「おばあちゃん、この部屋かわいい~ なんか食べるものある? お腹すいたんだ~」 「何しに来たんだい? お父さんに怒られた文句でもいいに来たのかい? お腹すいたって、朝ご飯は食べて…

暇な奴ら

みぃは新開にすぐに子供を連れてくるように言った 速水ももちろん同席する 新開は息子を連れてきた 何と言っても社長命令だ 「鋼(はがね)君?」 「ん?」 彼は小学六年生だ しっかり挨拶をしようとはしないし 新開もそんなことをしろとは教えない 「こんに…

逃走

もちろん、すぐに息子に 4時間待たされたこと、その理由が彼氏 今も泊まっていたことにしろ!と言ったことも すべてラインでチクった 孫可愛さに何でも孫の言うことを聞くのがババァじゃない あんなバカ孫を甘やかすわけにはいかない 今頃は言わないかもし…

暇な奴ら

星人の時は義母の見栄が 教育にすり替わっていた そして、今、新開のところの男の子は 健全な放任でゲーム三昧とは言えない気がする 新開の夫はよく知っているが とにかく自分の会社の仕事以外、何も興味ないのだ 妻が何をしようと、妻が楽しければいいし 妻…

逃走

「4時間も待ったんだよ! パパからラインのID、聞いてたんだろう? 何の用事があったのか知らないけれど 一言、遅れます!ぐらいはできただろう?」 「ごめ~ん、そう言えば、忘れてた! 彼氏がさ~話してくれないから~ それに、おばあちゃん、ラインとか…

逃走

久しぶり、小学生のころ 一度田舎に遊びに来たきり会っていなかった あの頃から、バカだと思っていたが やはりバカだ 「お父さんから、私のラインのアドレス聞いてたでしょう 何で、時間に遅れた時に連絡しないの?」 すると、今気が付いたとばかりに 「あ、…

暇な奴ら

速水は子供の教育には興味がなかった 星人のことでタケオの母があんまりうるさかったから 子供は放っておくのが一番だとも思っていた しかし、速水は母を想った 母は小さな子供が好きだった そして、教育が受けられない子供に同情していた 叔父の康太がそう…