2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

速水の悩み

「どうして、この生活が無理になったの?」 タケオは真っ赤になった 速水は面白半分に、 「何、素人の子でも好きのなったの?」 頷いたタケオは今までの人間とは違った それはシャイで優し気でそして、透明な少年のようだった 「タケオってもしかして、まだ…

発達障害の母

緊張して私を見ている恋ちゃんの目を見て 私は、どうでもいいんじゃないかと思った ここで、真面目な親戚を装って 歌手なんか歌がうまいだけではどうにもならないから 勉強をしっかりやって、まともなところに就職しなさい! ここに帰って来たばかりの私なら…

速水の悩み

「え?そこから帰ってないの? いや、私が言うことじゃないけど 私も高校は一年も通ってないからね でも、そこからなら、親にプレッシャーをかけられるより よっぽど辛かったでしょう?」 「ハーミーは? 今の仕事が順調にいくまで辛くなかったの?」 「ああ…

発達障害の母

その彼女もうまかったし 最初は事務所にお金を出してもらって 華々しくデビューしたのだが それも、ほとんど売れずに、その一曲をもって 地方を回って回る人生 結婚もせず、親に山を売ってもらってCDを出し 親に田んぼを売ってもらって、各地に歌いに行く …

速水の悩み

「兄弟は?」 「姉さんがいるよ。 もう、結婚して子供もいるはずだ もう、何年も家には帰ってないからなぁ ハーミーさんは?家には帰ってるの? 忙しいから帰らないけど 別に帰ってもいいって感じ 母親は時々差し入れに来るけどね」 「ふ~ん 僕は帰れないな…

発達障害の母

私は慌てて止めようとするし 恋ちゃん自体は恥ずかしくて、なかなか歌い始めない その、母親だけが歌えと叱り 母は 「恋ちゃん、頑張って!歌手になれるかもよ」 いい加減なエールを送る 恋ちゃんは母親が激怒寸前になって初めて歌った 私は素人で耳もよくな…

速水の悩み

タケオは笑いながら 「ハーミーさんは? こんな仕事してるくらいだから やっぱり、養護施設出身?」 反対に聞かれて 速水は正直に話す 普通とか常識とかの中で暮らすことは とっくの昔に捨てた それを捨てることによって、幸せとお金を手に入れた この後、ど…

発達障害の母

母親が反対ならば、何の問題もない 母はその母親のために灰皿をだしたり コーヒーを淹れたりする 「久しぶりだねぇ なんか、小学校以来だしね お姉ちゃん、東京で立派な生活してるんだって?」 子供のころ、親戚一同、年上ならば、 お姉ちゃんと呼んだことを…

速水の悩み

「自分で選ぶの?」 「まぁ、そうですよ スーツは仲間に聞いて、同じような奴をそろえましたけど 私服は自分で買いに行くんですけど」 さっきは速水のことを雌猫だとか言ってみたが こうなると、丁寧な口しか聞けない 「ふ~ん。 タケオ?だっけ? あなたも…

発達障害の母

それでも、母は約束したんだから 何とかしてちょうだいと断ろうとはしない そして、日曜日はやって来た やって来たのは真面目そうな可愛い女の子だった その母親もついてきた ああ、久しぶり、というか子供の時以来だ 金色に染めた髪の毛は上のほうは真っ黒…

速水の悩み

まぁ、高校中退から今までセックスしどうしで 飽きてきたのは仕方がない 「タケオってどこの生まれなの? 東京じゃないよね」 こういう時間は作るなと事務所からきつく言われている しばらく黙っていると 速水は財布からお金を出して 「延長ってことにして頂…

発達障害の母

恋ちゃん・・・・・ 母の従妹の結婚した相手の弟のところの子供だ こっちに帰って来て 話に聞いたことはあるが、確か、女の子としか知らない 『恋』って名前だってことが印象に残ったくらいだ 田舎ってやつは、だいたい、みんな親戚なのだ 「それで、あんた…

速水の悩み

速水のところにカジュアルで来る男はいない だいたい、黒スーツ 男娼たちの思惑では会社員の匂いをほのめかしたりするほうが いいかもしれないと思ってる様子だ 速水にとって仕事終わりに買う男は 何でも構わない、清潔でおっさんじゃなければオッケーだ タ…

発達障害の母

母親にうちの夫の仕事をいくら説明しても理解できない 母がわかるのは小売業の商売人 田舎によく来る、怪しいマッサージ器を売りつける セールスマン 町役場の職員や地元の公務員 だいたい知り合いは農家、土木作業員、 地元企業で働いているパートさんたち …

速水の悩み

タケオを横目で見る 少し顔を赤くして、焦りながらグラスを二つ用意している この世界のノウハウはすべて知っている この世界の女と恋に落ちるすべも知っている でも、いくつなんだろう? どうして、この仕事に入って来たのだろう? もう、数十人、いや、百…

発達障害の母

どっちにしろ、私の従妹の子供は この村や町出身子は大学に行く気はない いや、行けないと言ったほうが正しい 将来に何の心配もしていないのだ なりたい職種がなければ、高校を出てアルバイト代わりに 女の子なら近くのうどん屋なんかの飲食店で働き 男の子…

速水の悩み

速水もそんなことは十分わかっている そんな風にひっかけてくるこの手の男なんか山ほどいる それでも、無視できなかったのはなぜだろう? 「ちょっと、まって! 少し飲んでいく?」 仲間の話からハーミーは終わった後、相手の男を見もしない と聞いていた、…

発達障害の母

何よりも、東京に行きたいって言うのが理由なのはよくわかる それでも、どの子も単純で とりあえず、お金持ちになりたいらしい そして、社長になりたいのだ そのうえで、職種を聞いたりすると なんかでっかいことが出来るようなこと! なんて単純なことを言…

速水の悩み

実はこの言葉はタケオが付き合いたい女に わざと投げる言葉だった タケオは中学を出た時からこの仕事をしていた そして、知り合う女は金で男を買う女しか知らない その狭い中でしか恋はしない そして、恋した女を落とすには、たいがいこの言葉を投げつけてみ…

発達障害の母

そんな大人しかいないのだから若い子たちは どういうふうに自分のやりたいことを実現すべきかわからない 勉強ばっかりしていれば、勉強ばかりしているのはカッコ悪い いいことではない!とちょっと、昔の価値観の大人だらけだし 農家を継ぎたいなんて殊勝な…

速水の悩み

速水は親に反抗してこの世界に来たわけではないし 才能があるか、みぃにスカウトされたわけでもない 穏やかな普通の日常を送れないほど男好きだったからだ 沢村とミキもそこは普通の親ではない 沢村は文学をこよなく愛しているから 娘であっても人間が人間ら…

発達障害の母

母は頑張る!とか夢!とかの言葉が大好きだ まぁ、母が頑張るってことは 若いころから、朝・6時に起きて朝ご飯を作り 洗濯をして昼間で仕事をして弁当を食べ そして夕方になったら夕ご飯を作って それを食べて、片付け物をして寝る 普通の人が誰でもしてい…

速水の悩み

タケオは今までのお金を払えばやってくる男たちと 全く一緒だった 顔がいいのは当たり前、優しいのは当たり前 歌舞伎町のホストならばもっと、イケメンも もっと、腕のいいのもたくさんいる 速水はいつものように終わった後、すぐに帰り支度をした あまりし…

発達障害の母

美しい緑、夜空には星がきらめく 家から見える景色は古代から存在したであろう 山々の美しさ そして、家の後ろを流れる川 そこは、私の子供のころからは考えられないほど整備され そして美しいものとなっている 子供の頃のように大きな石がゴロゴロところが…

速水の悩み

速水はこの、ネットAVのカリスマ どんな奔放なことも華麗に美しくやりとげ その息遣いに本当の興奮を秘めている そして、その美しい肢体 それはAVのために生まれてきたような 服を着せて街を歩かせたら、ダサいのだけれど ひとたび、服を脱げば大天使へと…

発達障害の母

そこからは二人が決めることだ 田舎に住んでいた昔の私は無知で子供だったから 何も見えなかった あの頃の私ならば、今度のことなんか何も見えなかった 母もそうだ、 母は直感で妊娠しているのではないか そう考えたし、昔、近所で会った兄妹相関のことは思…

速水の悩み

ホテルに入るといつも通りにタケオが待っている みぃが与えてくれている一番最近の男 一晩の額はそれなりだから 顔もスタイルも間違いない 俳優志望らしいから全く素を見せることなく 速水の相手をする 今まで、ハーミーとわかるとやたら興奮したり お金を吹…

発達障害の母

中高生の恋は都会も田舎もない あまりに稚拙で人生を棒に振ることもある 亜美ちゃんは家庭の中で、相手は弟だ とりあえず、今回は手を出したが これからは二人の問題だ 「帰ったら、哲也君とちゃんと話して 亜美ちゃん自身が今どうしたいかを大事にするんだ…

速水の悩み

優人にはそこは理解できなかったが 二人とも、これは好きなことを好きにやった結果 莫大なお金になっただけだから 何かあったら、やめればいいだけだと 考えているのだろうと思う それでも、やはり、今日速水に辞めてもいいと言って 今日から来なくなっては …

発達障害の母

「そう、でも、どこの家庭もそんなものよ 親は親で悩みも多いし そんなに子供のことに構っちゃいられないのが 普通の家庭よ 亜美ちゃんは優等生だから余計 心配しなくてもいいって思ってるんじゃない? 弟君のほうが心配かけそうだけどね」 すると、亜美ちゃ…