速水の悩み

タケオは笑いながら

「ハーミーさんは?
こんな仕事してるくらいだから
やっぱり、養護施設出身?」

反対に聞かれて
速水は正直に話す
普通とか常識とかの中で暮らすことは
とっくの昔に捨てた
それを捨てることによって、幸せとお金を手に入れた
この後、どうなってもいい

「私は父親は大学教授
母親は中卒で風俗経験者
でも、完璧な母親だったよ」

「すごいな!
なに、それで、父親がすごい気難しくて
家出したとか?」

ああ、そう、思われるんだろうな
それが普通の判断だ

「ううん。パパは文学が専門だから
風俗のママと結婚したくらいだから
厳しさなんかかけらもない人だよ」

「ふ~ん。ま、そうだよな
俺んちもそうかな
父親は都内の私大出身、ちょっと、大手のサラリーマン
母親は女子大出身で、優しい専業主婦」