速水の悩み

タケオは今までのお金を払えばやってくる男たちと
全く一緒だった
顔がいいのは当たり前、優しいのは当たり前
歌舞伎町のホストならばもっと、イケメンも
もっと、腕のいいのもたくさんいる

速水はいつものように終わった後、すぐに帰り支度をした
あまりしゃべるのは好きじゃない
好きじゃないというよりか
何を喋ろうが彼らに興味がないのだ
彼らはこんな仕事をしているだけあって、だいたい
まともなことはしゃべれない
いや、これまで速水が普通だ普通だと言ってきたが
父親は東大の教授、勉強だって興味ないだけで
家庭での会話は生まれた時から、教養であふれていた
もちろん、ミキだって意図的にしたわけじゃないが
それが、ミキがあこがれて沢田と作った家庭なのだ

速水がお金を出して男を買う時に
おしゃべりがうまい男だけはやめてくれ!そう注文した
そいつらのしゃべりがうまいは
速水には糞みたいなしゃべりでしかなかった