速水の悩み

速水もそんなことは十分わかっている
そんな風にひっかけてくるこの手の男なんか山ほどいる
それでも、無視できなかったのはなぜだろう?

「ちょっと、まって!
少し飲んでいく?」

仲間の話からハーミーは終わった後、相手の男を見もしない
と聞いていた、ぐずぐずしていると
すぐに事務所に電話されるって話も聞いた
自分の思ったとおりにちょっと、反応して
飲んでいくなんて言ってくれるなんか思いもしなかった

そうなると、本当にどぎまぎしてしまう
これがタケオの売りでもあった
おばさんたちからはいつまでも純情無垢なタケオちゃん
と呼ばれて人気はあった

「あ、はい・・・・」

そう言いながら椅子に座った。
しかし、飲み物の用意をしているハーミーを見て
慌てて立っていくと

「手伝います!」

そう言ってグラスを持つ