2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

発達障害の母

ただ、私一人が 「そう、ふ~ん」 そんなことをつぶやきながら母の話を聞いた 小学校の図書館にある本はすべて読んでいた だから、ちゃんとした子供が母親に対してどうしなければいけないか よくわかっていて、父親の対応や弟の態度には イライラしたが、自…

父もそんな母親の手作りに囲まれて嬉しそうにくつろいでいる 「あなた、今年も学生からのチョコレートを 段ボールいっぱい、もらってきてくれるんでしょう?」 「ははは、まぁね、それでも、最近は 僕の追っかけはずいぶん少なくなったんだよ 僕も年だからね…

発達障害の母

小学生の私の中に 親に対して理想的な対応をしたい そう思う気持ちと 自分の中の困った思いや 悩んでいることに対して 何か手を差し伸べてくれるような母親ではないことは 理解していたこともあって 母親とコミュニケーションをまともにとることは 考えても…

速水はそう言いながら 少しうんざりした 叔父の康太も、その奥さんも そして、父親も、みんな東大出身 父は教授だし・・・・ 低レベルの高校の宿題にもひーひー言ってる 自分だけ全く違う生き物だ 母も中卒だというが、それは昔の母の実家が ものすごく悲惨…

発達障害の母

夕ご飯が終わると、弟はテレビを見て 私はこたつに首まで浸かって、本を読む テレビを見ている弟は許せても 寝そべって本を読んでいる私は 母から見たら女の子のくせに怠け者ということで 片付け物をしながら、何かとぐちぐち言われた 母親の言うことを聞か…

高校に入ったら勉強に追われて ほかのことを楽しむ余裕のある優亜や秀奈をすごいと思った 決して、進学校じゃない 半分くらいは就職する子のいる高校で あとの半分も国立に一人、二人いけるレベルの 偏差値でいえば45くらいの高校だ 家に帰ると母親のミキ…

発達障害の母

口汚い母親の言葉に追い立てられるように インスタントラーメンを作る 夕ご飯って言ったって家に箱買いしている インスタントラーメンで、それに 家の前の畑でとれたねぎを入れるだけだ 弟が卵を見に行く 卵は近くの養鶏場が売り物にならないために 二束三文…

....の無い

ミキに惚れて ずっとミキのことを見ていてくれて ミキの幸せのために すべてを用意してくれた 正司のその気持ちに答えなければ! ミキの中でそんな気持ちが膨れ上がった 風花が 「なんや知らんけど 行き~な! うちは、こう見えてもすっごい恋愛してきてんの…

発達障害の母

小学校三年くらい 平仮名や漢字を少しずつ覚え始めたころから 本を読むことが何よりも楽しみになっていた 家は貧乏な農家で母親は土方仕事に出ていた 朝ご飯はだいたい、白いご飯とみそ汁と漬物 田舎の小学校で弁当を持っていく毎日 母親は白いご飯とソーセ…

.....の無い

「沢村さん! お兄ちゃんの大学の教授なんでしょ 小説読んだ! ってか、正二兄さんが、読めって言ったんだけど お姉ちゃんのことだと思うよ あのヒロイン! 正司兄さん、何度も読んでた そして、これ書いたやつ絶対、ミキさんに惚れているって そう言ってた…

発達障害の母

こんな母と一緒に生活していくうちに 最初は母にイライラした 「料理をする台所の調理台の上で 髪の毛を溶かすのは、とりあえず、やめて! 化粧は長年そこでしているんだから 仕方ないとしても、髪の毛は別のところでとかさないと 料理に入るでしょう?」 母…

....の無い

「お姉ちゃん、私ね正司兄さんとずっと一緒にいたでしょう? 正司兄さんが私にいろんなことを教えてくれたのも 私に全部の財産を残してくれたのも お姉ちゃんのおかげだと思ってるの あれから、正司兄さんは、ずっと、陰ながら お姉ちゃんの様子を遠くから見…

発達障害の母

しかし、ヤンキーならばまだ、いいのかもしれない 知能はもっと、下だ 朝ごはん 炊き立ての白ご飯 やたらの具が多くてまずい味噌汁 納豆 母は発達障害の上に猫舌で かなり冷めてから食べ始める 私は熱いところを食べたい しかし、母は冷たい納豆に生卵をかけ…

.....の無い

「こんな仕事をしているからこそ 体が大事だからね」 夕食を食べながらミキはみぃに何も言うことはなかった まぁ、堅気の世界ではないにしろ みぃはここで才能を発揮し、正司の遺産で うまくやっていくのだろう 帰り際に 「うちの住所は知っているんでしょう…

発達障害の母

私は、いや、世の中の多くの普通の人が ヤンキーの女の子に顔をしかめるはずだ 私自身の中学、高校の頃に学年に数人 そんな子たちがいたのは知ってはいたが 決して話したこともそばに近寄ったこともなかった 子育てをするにおいても 子供たちが思春期の頃は…

.....の無い

みぃは悔しそうに 「あれは薬中のアスカ! 悔しいけど、オーナーがすぐにタイに逃がしたの 薬、やってる人間がスタッフにいることが知れたら もう、店、できなくなるでしょう」 そんな世界なんだから、みぃにやめろと言いたいが この生活を見ていると 自分の…

発達障害の母

その少女はなぜか家庭のことは話したがらず どこから新宿に来たのかも言わなかった 一番仲のいい同じような仲間の女の子の おばさんのうちで厄介になっているという おばさんは新宿で小さなスナックをやっているらしく そこで寝泊まりをしているが その友達…

....の無い

康太のことも母のことも みぃのほうがよく知っているようだった すると、風花が 「みぃちゃん、ほんまに男おらへんの? 誰か、賢い男がおるやろ?」 みぃは笑いながら 「風花さん、古い! この業界で、成功している女の子には 必ず、やばいバックがいるのっ…

発達障害の母

帰ってきて間がないころは それをうれしく思っていた でも、すぐに、それがただ単なるポーズでしかないことに気が付いた 学生時代にボランティア活動の一環で 新宿や渋谷にいる中学生くらいの女の子で 真面目に生きることもなくふらふ遊びまわっている子の …

....の無い

正司のおかげだ ミキは正司に感謝した 「これからは、何かと私が体を使うことなく いろんな企画をやってみようと思っているの」 「そう。でも、この業界は何かとあるから」 ミキが少し心配して言うと 「大丈夫、正二兄さんにそのあたりの法律も徹底的に 叩き…

発達障害の母

私の中では、母は常に普通の老人であってほしい そんなに、変な人間ではない 発達障害の人間には素晴らしく才能がある人は多い 友人の息子は数学で博士号はとっている 母にいいところはたくさんある そこまで考えて、どこだろうともう一度自分に問う 素直で…

.....の無い

ミキがそう考えていることを みぃはすぐに悟った 「お母さんには似ていないから安心して ま、仕事は、こんなエロイことやってるけれど 別にやりたくてやってるわけじゃない ただ、私の才能がどこにあるかは知ってる」 横で聞いていた風花が 「ちょっと~、し…

発達障害の母

いや、発達障害といっても字は読める 漢字は書ける、字はうまい 小学校に上がる前のわたしに『あいうえお』を 教えてくれたのは母だったはずだ しかし、母が本のようなものを読んでいるのは見たことがない それに、今の生活を見ていると 買ってきた商品に書…

.....の無い

名刺をもらって 風花は大喜びだ 「ヒョウ君、買えるの? うち、まだ、東京来て給料もらってへんから お給料もろたら、電話するわ」 ヒョウが帰っていくと みぃはミキを見つめた 「お兄ちゃん、元気?」 ミキはみぃの今までの様子で 彼女が一人だと思ったし、…

発達障害の母

電気釜だから普通にコメをといで 分量分の水を入れる 羽釜の中にメモリがついている 試しに聞いてみる 「二合だからこのメモリまで水を入れてるよね?」 すると母は無邪気に驚いたように 「え?そんなメモリがついていたの? 知らなかったわ~」 「この電気…

.....の無い

みぃは素晴らしい部屋にぴったりなビジュアルで 洗練された台所のほうに声をかけた 「ヒョウ!一番高い紅茶、出して? お姉ちゃんはミルク?それともレモン? えっと、そっちの趣味の悪いおばさんは?」 ヒョウと呼ばれた男がエプロン姿で出てきた 「お姉さ…