高校に入ったら勉強に追われて
ほかのことを楽しむ余裕のある優亜や秀奈をすごいと思った

決して、進学校じゃない
半分くらいは就職する子のいる高校で
あとの半分も国立に一人、二人いけるレベルの
偏差値でいえば45くらいの高校だ

家に帰ると母親のミキが手作りのプリンを出してくれた
手を洗って、制服を着替えて居間に出てくると
今日は授業がないらしい父が書斎から出てきている

「やぁ、お帰り
父さんもプリン、もらおうと思ってね
ミキさんのプリンはおいしいからね
いや、プリンだけじゃないけど」

「ありがとう、あなた
速水のほうには生クリームとサクランボが
のせてあるから」

速水は嬉しそうに父親の前に座って
プリンを食べ始める

「あ、今日は康太おじさんが夕ご飯に来るから
すき焼きにするわね」

速水は生クリームをなめながら

「おばさんも来る?
おばさん、来たら、私の部屋に入りびたりでしょう?
宿題、たくさんあるから困っちゃうな」