2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

......の無い

自分はそんな猥雑な母の領域は 全くわからないし 入りたくもなかったが 姉のことを知るには そこからも進まなければならない それにしてもそこからのことは わかるのだろうか? そう、不安に思ったが 案外、すぐにわかった 何と言っても母親は 風俗が恥ずか…

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そこは小さな町工場 中学を出たばかりの 姉が中学の教師の推薦で 働き始めた工場 姉には内緒に調べるのも躊躇したが なんとか姉の幸せを探したいと 中学の姉の担任から出発した 仕事は真面目で大人しい女の子 それがここでの評判だったようだ 「でもね、お母…

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それは通り一遍の会話に聞こえるように 最新の注意を払って答えた ミキの言葉だったが 康太は姉の言葉の中に 何か深い心が漂っているのを感じた その日から康太は姉の過去へ遡ってみよう そう決心した 姉に何かで報いるとしたら 自分の中に姉の過去への誹謗…

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嫌で仕方がなかったあの家の子供の頃 いつもケバケバしい母親の笑い声 爺さんの卑猥な話 ほとんど喋ることもなく いつも母の浮気に悩まされてはいても 母の笑い声に嬉しそうにしている父 あの空気の中にも否定できない明るさがあり その明るさの中の両親の猥…

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ミキは封じ込めていた気持ちが 心にいっぱい広がった 今でも沢田が好きなことは変わらない 他の男には全く興味はない 住んでいるステージ、空気、場所 そんなものが違うことに 沢村といるとどうしても コンプレックスを感じてしまう それはあの家がもう 自分…

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この家では恋愛イコール肉体関係ではない 母方の方の肉体関係は 異性であれば、その関係に落ちることに なんの躊躇いもない そして、そのアピールに積極的だ もちろん、他人ならばその生き方に とやかくは思わない しかし、現在の常識の中では 母や妹がそれ…

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康太としては質素に男の影もなく すべてを家族の犠牲となった姉を喜ばそうと思い ただ、なんとなく言った言葉だったが 「え?」 そう言ってほほを染めた 康太はそういえば姉はいくつだっただろう そう思うと、今まで姉の年齢を考えたことがなかったことに 気…

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「何を言ってるの これから、仕事も大変だとは思うけど 結婚をして、子供も作るでしょう? お姉ちゃんなんか邪魔で困るわよ」 康太はその言葉の後ろに 今まで自分たちには夢だった 普通の家庭ってやつをぜひ作ってくれ それは、たぶん、二人の悲願なんだと感…

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その頃から康太は頻繁に姉のところを訪ねるようになった 姉がずいぶん変わったのだ 二人は家も越して、今の生活をしていると まるで昔の自分たちの生活がなかったことになったようで 落ち着いて話ができるような気がした もちろん、みぃのことはあるが そし…

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しかし、どう考えても姉と教授との接点は考えられない 戸惑っている康太をみて沢村はすぐに引いた 「ああ、ごめんごめん、僕の悪い癖だな どうも思い込みが強すぎて」 康太はほっとした そして、姉に対する嫌悪感のようなものが 教授に話すことによって気に…

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康太はそんな風に言ってくれる教授を うれしくは思ったが、少しいぶかった それに、自分からは遠い存在の人だからこそ こんな込み入った話をしてしまったのだ 実際に姉なんか恥ずかしくて、会わせるなんて・・・ 「どうかな、もちろん、こんな話を聞いたこと…

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康太は驚いて沢村を見る 康太はあまりに底辺の環境に生まれたために この大学に来るような生徒は理想の家庭で育っている そう、感じていたが 沢村のような環境は案外多い 大企業の幹部クラスの男を父に持ってはいるが それを大ぴらには言えない立場 しかし、…