.....の無い

嫌で仕方がなかったあの家の子供の頃
いつもケバケバしい母親の笑い声
爺さんの卑猥な話
ほとんど喋ることもなく
いつも母の浮気に悩まされてはいても
母の笑い声に嬉しそうにしている父

あの空気の中にも否定できない明るさがあり
その明るさの中の両親の猥雑さを
憎みながらも
それを懐かしく思っている自分
そんな自分が沢村と好きと言うだけで
楽しく付き合っていけるとは思えない

「その先生は康ちゃんを見てるから
立派なお姉さんなんて
想像するんじゃないかしらね
大学の先生って世慣れない人が多いから」