.....の無い

「何を言ってるの
これから、仕事も大変だとは思うけど
結婚をして、子供も作るでしょう?
お姉ちゃんなんか邪魔で困るわよ」

康太はその言葉の後ろに
今まで自分たちには夢だった
普通の家庭ってやつをぜひ作ってくれ
それは、たぶん、二人の悲願なんだと感じて
それ以上押さなかったし、そうしようと決心もしていた
それでも、それは姉だって同じはずだ

「それは姉さんも同じだろう
だれかいい人と結婚して、子供を作って
幸せになってよ」

そんな言葉がスラスラ出てきた

ミキは嬉しそうに笑いながら

「そうね、でも、お姉ちゃんはモテそうにないから
康ちゃんが頑張ってよ!」

そう言って二人で鍋をつつくのは
幸せなひと時だった

「そういえば、この小説を書いた先生が
姉さんにあってみたいって言ってたんだよ」