......の無い

自分はそんな猥雑な母の領域は
全くわからないし
入りたくもなかったが
姉のことを知るには
そこからも進まなければならない

それにしてもそこからのことは
わかるのだろうか?
そう、不安に思ったが
案外、すぐにわかった

何と言っても母親は
風俗が恥ずかしいなんて
一ミリも思ってはいないから
自分の家から近いところの方が
通いやすいとわかりやすい考えで
根城を作っていた

「なんでも、そのあとは
ほら、駅裏のあの辺り
未成年なのに働かせていたみたいよ」

そう聞いて行って見ると
最初に入った、スナックですぐに
そこの年の行ったマスターが

「ああ、みきちゃんね~
あの当時、すごい人気でね~
なんたって若かったし、いい子だったしね~
物凄く稼いだはずだけど
あの母親についてた男が
全部持ってちゃってさ~
なんて父親だと思っていたら
父親じゃなかったんだね」