その先
その話は父も知っていた
母は
「ねぇ、あなたからなんとか言ってあげれば
この村であなたがあそこの息子さんと
一番、仲良かったし
充君だってなんとか小学校って
すごいところに行ってたんでしょう
この田舎に家を建てたって
お金は余るんじゃないの?」
父も、そう思って
出かけて行った
私はこっそりついて行ったのだが
玄関のところで
「村長も同じ用件できたよ!
みんな、私がどんなふうにお金を使おうが
放っておいて欲しいわね」
「いや、そのお金は充君のだよ」
「あの子は、まだ、小学生だよ
お金の使い方なんか知らないよ」
私は庭の垣根に隠れて
この様子を見ていたのだが
後ろから声がした
「お金の使い方知らないのは
あんただよ!」
充君だった