その先

「当時は父を恨み、母を恨み

もう、どうしていいかわからなかったよ

高校に上がることも、

どうやっていいかわからないし

親戚の工場があなたが通っていた

高校のある町にあったから

毎日、あの電車で通っていたんだ

不良になるほどのエネルギーもなく

大人に言われた通りに

ただ、漫然と生きていたんだけど

それを救ってくれたのが

本だったし、毎日近くで

同じように本を読んでいた

あなただったんだ

みんな幸せそうで、チャラチャラした

高校生だらけ

そんなかで、真面目に

本を読んでいるあなたは

私に取っては救いでした」