姉のこと


イメージ 1

康太は正解が好きだった
家庭に正しい家庭なんて答えがあるわけがないのに
世の中はそれを求めさせた
新聞を読んでも、テレビを見ても、同級生も
学校の先生も、すべての人が康太の妄想のような家庭を
正しいものとしているようだった

そして、そんな不確定な危ういものを信じていた
小学生時代
そして、そのことで鬱屈する毎日に
自分を追い込んでいく
それを救ってくれたのが姉だった

姉は小学生の康太の前に現れた女神だった

そして、常識なんかに振り回されるのはバカらしいと
自分の恋愛遍歴はほとんど狂気の沙汰だった

でも、ここにきて、小学生の自分が描いていた
家庭が欲しくなった