悪魔が来りて・・・
休み時間にたまに話したりした
小学校では私の次くらいによくできたのだが
私は早苗さんに色々問題集を集めてやらされたり
夏休みや冬休みには
親戚の中で一番勉強ができると言う高校生のお兄さんが
祖父にお金をもらって家庭教師のようなことをしてくれていたから
出来て当たり前なのだが
その子は貧乏なうえに兄妹も多く、
勉強なんか家ではできる環境ではなく
父親が今でいうDVを子供たちにするような家だったのだが
学校の授業を聞くだけで、すぐに覚えて応用もできていた
その子は休み時間にはたいがい本を読んでいるのだった
その子が図書館で借りた『小公女』を持って私に
「静ちゃんてセーラみたい!かわいいね~」
そう話しかけてきた
私はその絵の挿絵の可愛さにいい気になって
「ありがとう」
そう言ったが、なんだか、そんな風にだけ言うのも
嫌らしいと思って
「その本、私も読んだけれど
あなたにもセーラみたいにいいことがあれば
私より、よほど可愛くなるわ」
そう言うと、とても嬉しそうだった