誘惑の花

京子も何と言っていいかわからないし

スピカもどうしていいかわからない

しばらく、困っていると

京子は買ってきたジュースとケーキを取り出して

テーブルに出しながら

 

「食べる?」

 

そう聞くと、スピカは手に持っていた数学の本をテーブルに置いた

 

「あ、その本、読んだことあるよ

難しいことやってるんだな~

まだ、小学校一年生だよね?」

 

そう言って父親はその本を手に取った

京子にはその内容ちんぷんかんぷんだったから

 

「あら、お父さんなら、ほら、わからないって

言ってた問題、わかるんじゃない?」

 

そう話を振ってみた

スピカはすぐに父親の横に飛んで行った

 

「あのね、98ページ、今度数学教室に行った時に

先生に聞こうと思ったんだけど

わたし、自分で解けないと悔しいの

何か、簡単なヒントだけでも教えてくれませんか?」