風邪をこじらせて

「きみには完全にフラれたって思ってたからな

あの日からのショックは大きかったけど

子供がいるって、なんかうれしいよ」

 

「私はフッた覚えはないけれど

まぁ、中学のあの頃のことだったから

どうしたらいいのか何かわからなかったものね

子供だけじゃなくて、孫もいるのよ

あ、戸田君はもう、お子さんに子供はいるの?

そうじゃなければ初孫

私にとってもね」

 

「ああ、うちもまだ大学生でね

子供がいるのか~

幾つくらい?男?女?」

 

「小学校3年生くらいで男の子

あそこに行くと、

中学のあの日があったことを感謝してしまうわ」

 

「そうか、良かった

本当にあの夜が会ったことは感謝だな」

 

「今はうまくいってるみたいだけど

もし、お店がどうかなるなんかってことがあったら

手を貸してあげてね」

 

「ああ、もちろん!

君は母親だと名乗ってるの?」