悪魔が来りて・・・

祖母は祖父に嫁ぐときに随分躊躇したそうだ

祖父は今では、この村の名士でなくなった今でも

銅像でも作ろうかと、私たち親族に忖度する者がいるほどだが

祖母と結婚した当時は、お金は儲けていたが

博労上がりの成金だった

祖母の家は平安の昔からの名家だそうで

祖母は今でも、それを誇りとしたところがある

 

祖父と結婚したのは、祖母の実家が祖父のお金目当てだったとか

そうじゃなかったとか

村の噂だし、祖母はそんなことを口にする人ではない

明治に入ってからは、代々、医者の家でもあって

父の頭の良さは、その血筋のせいかもしれない

 

その祖母は本当に汚い物を見るように私を見る

祖父が生きている頃は、それでも、遠慮していたのに

早苗さんが側にいるのが我慢できないようで

何かと初七日までは早苗さんも呼んだりしたが

その後は無しのつぶて

早苗さんはものすごく怒っている