悪魔が来りて・・・・
そんな家が多い中
私は幼稚園は一時間かけて、早苗さんがぴったりついてくれて
通わせてもらった
私が幼稚園にいる間、早苗さんは町の喫茶店でコーヒーを飲んだり
買い物をしたり、パチンコをしたりしていたようだ
村の誰よりもお嬢様扱いされていたから
誰も私の両親がいないことをとやかく言う子はいなかった
私自身も早苗さんがいるので
お母さんは?とか聞くのは早苗さんが張り切って
私の面倒を子供ながらよく見てくれているのは
わかっていたし、祖父はいつも早苗さんに感謝するようにと
教えられたから
両親のことや、自分の環境に不満を持つことはなかった
中学からは寮がある私立の女子校に進学したので
周りの子たちが少し賢くなって、私のことを非難できる年齢の頃には
誰にも会うこともなかった
でも、その中で一人だけ、とても賢い女の子がいて
その子は田舎のそんな環境ながら、国立の難しい大学に入った