悪魔が来りて・・・
私は村の子とは少し違っていた
まず両親がいない
実際に入るのだが、今は父はアメリカで医者をしているし
母は東京ので別の家庭を持っている
私はそう、早苗さんから話に聞いているだけで
会ったことは一度もない
物心ついたころには、早苗さんと住んでいて
早苗さんのことは『早苗さん』と呼ばされていたから
お母さんではないらしいことはよく知っていた
でも、自分に父や母がいないことをおかしいとは思わなかった田舎の子供たちは誰もが貧乏で、小汚い感じ
そして、頭が悪かった
私は早苗さんが都会の子供と同じじゃなきゃいけない
なんて言いながら、学研の通信教育をしたり
公文の問題集をたくさん解かされた
ここの子供たちは誰も幼稚園や保育園に行かない
バスで1時間くらいかけ町まで行かないとそんな施設はない
どこも農業をしているから、親は畑や山に連れて回れば
困ったこともないし、お金もかからない
それに、どこの家に年寄りがいるから
爺ちゃん、祖母ちゃんたちが
小学校に上がる前の子供の面倒は見るのだ