悪魔が来りて・・・

授業参観の時の早苗さんは

どこのお母さんより美しかったし

村にはうらやましがるほどの父親を持った者はいなかった

どの父親も子供の目から見れば

しょぼい、おっさんにしか見えなかった

私が、両親がいたらな~と思ったのは

T女子学院の寮に入ってからだ

そこは一応入学試験のような物はあったが

お金があればだれでも入れるところで

私のために祖父は十分お金を出してくれた

それでも上には上がいるもので

休みに入るまえに私は早苗さんが迎えに来てくれて

駅までハイヤーだったが

かっこいい父親の運転のベンツで帰る子なんかみると

羨ましい気がした

この学校では早苗さんのように若く美しい母親は

はいて捨てるほどいた