逃亡

いや、チェリーの母親も兄もそうだ

一緒に住んでいただけで家族の形を成していなかったんだから

仕方のないことだ

 

「ねえ、おばあちゃん、いいでしょう?

だって、正当防衛だし

この子のパパになるんだもん

別に警察に行く必要はないんじゃない

だいたい、まだ、見つかってないのに

自分から行くことないよ」

 

チェリーは拓に甘えるように話す

気持ち悪い!

私はスマホを出すと、スクショした画像を見せる

 

「こら、チェリー、こいつの正体わかってるの?

だいたい、その顔からして嘘なんだよね?」

 

私が出した画像は拓の中学卒業アルバムの写真だ

 

三人がのぞき込む

 

「誰?」

 

チェリーとショウが口をそろえて聞く