恋をする時

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「癪なことって・・・
お母さんは何でも完璧じゃない」

速水は康太が二番目の結婚を小百合としたとき

『姉さんが僕の妻として
夢に見ていた通りの人』

そう言っていたのを思い出した
そして、速水は
確かにそうだ、ミキは自分も
小百合みたいになってほしかっただろうと思った

医者一族の中で大事に大事にお嬢様として育てられ
家事全般、そして、お花、お茶、すべて完ぺきにこなし
子供を育てるには手がいるだろうと
小さなころから実家にいたお手伝いさん
その人まで一緒に嫁ぎ先に来たのだ

「そう言えば、咲さんは?
お母さんよりもあなたが勝手をすれば
咲さんが悲しむでしょう?」

「さ~ちゃんは先月くらいから
痴呆症が出て来て、施設に入ったんだよ
寂しいけど仕方ないね」