その先

私は何も聞くことも

何も言うこともできなかった

ただ、そこから、少し離れた場所に

田舎では滅多に見ないような

綺麗な顔の男の人が立っていた


私が帰り道、友人達と別れると

すぐに、後ろから声をかけられた

その綺麗な顔の男の人だった


「もしかして、花さんですか?

生前、風香から話を聞きました

彼女の唯一の親友だったそうで

高校時代の話を楽しそうに

良くしてくれました」