小さな願い
ミキとみぃの間では正二の話はタブーだった
それは正二がその短い生涯ただ一人愛したのはミキで
そのミキに託されたからこそ
みぃの教育にすべてをささげ、全財産をみぃに残したのだ
でも、ミキは思う
あの誠実で頭のいい正二がみぃと関係を持った以上
それは本物の愛だったと感じずにはいられない
何にしろ、ショウが生まれる前の遠い話で
今はそんなことはどうでもいい
「いい笑顔でしょう?
あの写真嫌いが唯一残した写真」
「みぃも綺麗でまっさらな感じね」
「お姉ちゃんもそう思う?
この頃、男なんて知り尽くしていたけれど
それは仕事柄の話で、ずっと正二さんしか見てなかったからね」
写真はそのままを表している
「理子ちゃんのお姉さんは、そんな愛がこの世にあることなんか
全くわからなかったんでしょうね
この写真は私の純真さを表している以外
何も恐喝のネタにはならないのに・・・・」