恋愛の細やかな恥ずかしさが全くないのだから
免疫のない祖父は面食らったが
直接、目の前にやって来て大好きだ!一緒にいたい!
何処にいても、祖母は祖父を見つけると飛んできて側にいる
そして、祖母は綿密に自分の容姿を整えた
まず、ご飯を食べない
その頃流行った洋画に出てくるような細いウェスト
少し濃いめのメイク、
いつだって明るく楽しそうにやってくる
祖父が逃げ場のない恋に落ちたのは仕方のないことだろう
そして、祖母の村と祖父の村は汽車で一時間ほど離れていた
祖父の噂は知っていたが、祖母のことなど
その時まで祖父は全く知らなかったのだ