悪魔が来りて・・・
祖父が生きていた頃には見られなかった
力強さで
「あなた、もう、いい加減、甘やかされる必要はないでしょう
東京で独り立ちしたらどう?
大学までの教育費は早苗さんがもらっているから
卒業するまでは出してもらえばいいけれど
東京で就職して、あなたのことは誰も知らない人たちの中で
人生を送ったらどうかしら?
そん準備のお金は十分すぎるほど
子供たちからもらったでしょう?
あの子たちも人がいいんだから」
この故郷を捨てろと言っているのだろうか?
私には意味が解らない
「おばあ様、あの子たちも人がいい!って
私の両親だし、私を自分たちの手で育てたわけじゃないんだから
お金くらい出してくれてもいいと思いますけど
私からねだったわけではありませんからね
それに、東京で暮らせってどういう意味ですか?」
私は司書の資格を取り
ここから車で40分くらいのところにある県の図書館に
努めようと思っていたのだ