馬の耳
健介は思わず、確かに!と心で呟いた
沙理は父親が心の内で同意したことに
にっこりとした
沙耶は何やかや言いながら、実家に車で行ってしまった
この車も沙理のお受験に必要だからと
実家に買ってもらったのだ
実家に行っては母親が趣味で集めている
高い食器や、弟の嫁が買ってあった
高級食材をもらってくるのだ
沙耶が出ていくと、沙理は健介に
「パパ、お勧めの本は何かない?
久しぶりの日本で、この間、新書、たくさん買ってあったでしょう?」
健介は自分が読むレベルの物を沙理が面白く読むことに驚いた
健介の部屋にある、
ネットで取り寄せた本を見せると
「わ~私もこれ、読みたかったんだ
やっぱり、パパは最高ね
ママなんか料理のレシピ本しか読まないし
その通り作ってもまずいのよ!」
健介はDNA、おそるべし
新婚当時、同じことを考えたのを思い出して
笑ってしまう