誘惑の花

京子とスピカの生活は楽しくて面白いものだった

スピカは大人しい子供だった

それは、本来、静かな大人しい子と言うよりも

りさ子が言っていたような父親の暴力が怖くてかもしれないし

りさ子も言うことを聞かなければ、

すぐに手を出していたのかもしれない

 

それが、京子と生活をするうちに

間違って水をこぼしても

叱られることはなく

優しく笑いながら、丁寧に拭くことを教えてもらう

そんなことが色々と続く

スピカはここにきて本当に幸せそうだった

京子の側にいると、いいことばかりがある

だからいつも一緒にいたい

そう思うのだろう

京子もスピカは何でも素直に聞き

楽しそうにしているのを幸せに思った

そして、スピカが俊哉の孫であることも

愛おしいと思う要因だった